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障害者・障害年金受給者のカードローンと公的支援|借入可否と代替制度を整理【2026年】
カードローン公開日: 2026/07/22

障害者・障害年金受給者のカードローンと公的支援|借入可否と代替制度を整理【2026年】

この記事の執筆・監修

「障害者手帳を持っているとカードローンは組めるのか」「障害年金だけで生活しているが借入は可能か」「障害者だから借金が免除されるという話は本当か」。そう悩んでいる障害者ご本人・ご家族に、カードローンの申込可否と代替公的制度を整理します。

結論を先にお伝えします。障害者手帳の有無・障害年金の受給有無だけで一律に借入不可となるわけではありません。ただし障害年金は「2ヶ月に1度の給付」で「年金受給権の担保は法律で禁止」されているため、返済継続性・安定収入という審査要件では不利になります。また「障害者だから借金が免除される」という一般制度は存在しません。

この記事では、障害者手帳・障害年金受給者の申込可否、就労収入がある場合の実勢、公的支援制度、旧「年金担保貸付」停止後の代替、悪質業者の見分け方まで、2026年7月時点の関連法令・公的資料で解説します。

まずは整理から:借入の前に検討したい公的支援

この記事の本題はカードローンの申込可否ですが、多くのケースで借入より公的支援・給付制度の活用が優先です。理由は、障害年金のみの世帯で新たな借入を組むと、返済負担が生活を圧迫し、状況が悪化することが多いためです。

先に検討したい制度は次の通りです。

制度

概要

問合せ先

生活福祉資金貸付制度

低所得・障害者・高齢者世帯向けの公的貸付(無利子〜低利)

市区町村社会福祉協議会

緊急小口資金

緊急かつ一時的な生計維持資金の貸付(10万円以内・無利子)

市区町村社会福祉協議会

特別障害者手当

重度障害で常時特別介護を要する在宅の20歳以上(月額約2.9万円)

市区町村福祉窓口

障害者総合支援法によるサービス

自立支援給付・地域生活支援事業(介護・就労支援)

市区町村福祉窓口

住居確保給付金

離職・減収による住居喪失のおそれがある場合の家賃相当額給付

自立相談支援機関

生活困窮者自立支援制度

就労準備支援・家計改善支援・一時生活支援

自立相談支援機関

詳細は市区町村の福祉窓口・社会福祉協議会にご相談ください。

障害者・障害年金受給者のカードローン申込可否

  1. 障害者手帳の有無で審査上の直接的な差別はない(貸金業法・銀行法に手帳条項はない)
  2. ただし障害年金のみでは「毎月の安定収入」要件を満たさない会社が多い
  3. 就労収入がある場合、雇用形態・勤続年数・収入額で一般と同じ審査
  4. 旧「年金担保貸付制度」は2022年3月末で新規申込終了(既存契約のみ継続)
  5. 「障害者だから借金免除」は誤解。返済免除制度は債務整理(自己破産等)を経由する必要がある

障害年金受給者がカードローン審査で不利な3つの理由

1. 年金は「2ヶ月に1度」の給付で「毎月の安定収入」ではない

年金は原則として偶数月に前2ヶ月分がまとめて支給されます。カードローン審査で重視される「毎月の安定継続収入」の要件からは外れやすく、消費者金融・銀行の多くで審査対象外となる商品があります。

2. 年金受給権の担保・差押は法律で禁止

国民年金法第24条・厚生年金保険法第41条により、年金給付を受ける権利は担保に供することができません。そのため貸金業者・銀行が「年金受給権を担保に融資する」ことは違法です。「年金担保OK」を謳う業者はヤミ金の可能性が高いため、絶対に接触しないでください。

3. 旧「年金担保貸付制度」は新規申込終了

独立行政法人福祉医療機構(WAM)が運営していた「年金担保貸付制度」は、令和4年(2022年)3月末で新規貸付の申込受付が終了しました。既存契約者の返済は継続していますが、新規で利用することはできません。代替は生活福祉資金貸付制度の活用が案内されています。

就労収入がある場合の実勢

障害者手帳を持ちながら就労している方は、一般と同じ審査プロセスで申込可能です。以下は代表的な就労形態別の実勢です。

一般企業の正社員・契約社員

安定継続収入があれば、障害者手帳の有無は審査に直接影響しません。年収・勤続年数・他社借入・信用情報で判断されます。障害者雇用枠での就労も同様です。

就労継続支援A型事業所(雇用契約あり)

A型事業所は雇用契約に基づく就労のため、給与収入があります。給与明細で収入証明が可能です。ただし収入水準が低めのため、限度額は10〜30万円が現実的な目安です。

就労継続支援B型事業所(雇用契約なし・工賃制)

B型事業所は雇用契約ではなく、工賃(作業対価)が支払われる形態です。月額工賃の平均は数千〜数万円で、多くのカードローン審査では「安定継続収入」の要件を満たしません。障害年金+工賃という収入構成の場合、審査通過は難しいのが実情です。

在宅ワーク・自営

自宅で在宅ワーク・自営で収入を得ている場合、確定申告書控えが収入証明になります。開業1年以上・年間所得の実績が申込条件の目安です。

「障害者だから借金免除」の誤解を整理

一般的な返済免除制度は存在しない

「障害者手帳を持っていると借金が免除される」「障害年金受給者は返済しなくていい」という制度は存在しません。これらはネット上の誤情報で、真に受けて滞納すると信用情報の事故登録・訴訟・差押えのリスクがあります。

返済免除に至る合法的な経路

返済免除に至る合法的な経路は、原則として次のいずれかです。

  • 自己破産:裁判所の免責決定で借金の返済義務が免除される(ただし信用情報に5〜10年事故登録、財産清算あり)
  • 個人再生:裁判所を通じて借金を大幅圧縮(原則5分の1〜10分の1)
  • 任意整理:弁護士・司法書士を通じて将来利息をカットし、残債を3〜5年で分割返済
  • 時効の援用:最後の返済または請求から5年以上経過し、時効を援用する(厳密な要件あり)

いずれも本人の申立・専門家関与が必要な手続きです。障害者向けの特例免除制度ではありません。

差押禁止財産としての年金

民事執行法により、年金の受給権および国民年金・厚生年金の給付は原則として差押禁止財産です。ただし年金が振り込まれた銀行口座の預金は「預金債権」として差押対象となりうる、という判例があります(最高裁 平成10年)。返済不能で訴訟・差押えに至る前に、必ず債務整理を検討してください。

障害者・障害年金受給者向けの公的融資

生活福祉資金貸付制度(社会福祉協議会)

低所得世帯・障害者世帯・高齢者世帯を対象とする公的貸付制度で、種類別に用途と上限額が定められています。

種類

主な用途

上限額の目安

総合支援資金

生活支援費・住宅入居費・一時生活再建費

月15〜20万円×最長12ヶ月等

福祉資金

福祉費(療養介護等)・緊急小口資金

10万円〜580万円(用途別)

教育支援資金

教育支援費・就学支度費

月3.5〜6.5万円等

不動産担保型生活資金

高齢者世帯の生活資金

不動産評価額の一定割合

連帯保証人がいれば無利子、いない場合でも年1.5%程度と低利です。申込は市区町村の社会福祉協議会に相談してください。

日本政策金融公庫の教育ローン

教育費用途に限りますが、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は年2%前後(変動あり)で上限350万円。子どもが障害を持つ場合の教育支援としても活用可能です。

悪質業者・詐欺の見分け方

「年金担保OK」「障害者専用ローン」を謳う業者はヤミ金

年金受給権の担保は法律で禁止されています。「年金を担保に融資」「障害者手帳をお持ちの方限定」等を謳う業者は貸金業法違反または詐欺の可能性が極めて高いです。契約はもちろん、連絡先の共有・書類提出も避けてください。

個人間融資・SNS融資のリスク

Twitter・掲示板等での「個人間融資」は、身分証送付後に音信不通、法外な金利要求、恫喝、二次被害(詐欺グループへの情報転売)などのリスクがあります。障害者・年金受給者は特にターゲットにされやすいため、一切関わらないでください。

相談窓口

  • 金融庁 貸金業相談ダイヤル:ヤミ金・違法業者の相談
  • 警察相談専用電話 #9110:詐欺・恫喝の被害相談
  • 消費生活センター 188:契約トラブルの相談
  • 法テラス:法律相談・弁護士紹介

家族・支援者ができるサポート

家族による借入代行はしない

「本人が審査に通らないから家族名義で借りて渡す」という代行借入は、家族に返済負担が残るだけで根本解決になりません。まず本記事の公的制度を家族と一緒に相談してください。

成年後見制度の活用

判断能力が不十分な障害者本人の財産管理・契約管理を家族・第三者が支援する成年後見制度があります。本人の意思を尊重しながら、悪質業者との契約リスクを未然に防げます。詳細は市区町村の権利擁護窓口・家庭裁判所にご相談ください。

特別障害者手当・特別児童扶養手当の受給確認

重度障害者向けの特別障害者手当(月額約2.9万円)、障害児の保護者向けの特別児童扶養手当(1級月額約5.6万円・2級月額約3.7万円)など、給付制度の受給状況を市区町村福祉窓口で確認してください。受給できるのに未申請の制度がないかチェックすることが先です。

よくある質問(FAQ)

障害者手帳を持っていることは審査で不利になりますか?

手帳保有そのものは審査条件ではありません。就労収入があり返済継続性が示せれば、手帳有無に関係なく審査対象になります。障害者雇用枠での就労も同様に評価されます。

障害年金だけで借りられるカードローンはありますか?

限定的です。年金以外の収入がない場合、多くのカードローンで対象外となります。まず社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度を検討してください。

「年金担保貸付」はもう使えないと聞きました

独立行政法人福祉医療機構の年金担保貸付制度は2022年3月末で新規申込受付終了しています。既存契約者の返済は継続していますが、新規で使うことはできません。代替は生活福祉資金貸付です。

障害者だから借金が免除される制度はありますか?

ありません。返済免除に至るには、自己破産・個人再生・任意整理・時効援用などの法的手続きが必要です。ネット上の「障害者は免除される」は誤情報のため、鵜呑みにしないでください。

親の障害者手帳で子どもがカードローンを組めますか?

組めません。カードローンは申込本人の属性・収入で審査されます。親が障害者であっても、子どもの申込条件には影響しません。逆に、親の借入負担があると子どもの信用情報にも間接的な影響があります。

まとめ

障害者・障害年金受給者のカードローン申込は、就労収入の有無で結果が大きく変わります。要点を整理します。

  • 障害者手帳の有無で審査上の直接的な差別はないが、収入源が問われる
  • 障害年金のみは「2ヶ月に1度の給付」で毎月の安定収入要件から外れやすい
  • 就労収入があれば一般と同じ審査プロセス(雇用形態次第)
  • 年金担保貸付は2022年3月末で新規申込終了、代替は生活福祉資金
  • 「障害者だから借金免除」は誤情報。債務整理を専門家に相談が正規経路
  • 先に特別障害者手当・障害者総合支援法・生活福祉資金・住居確保給付金の公的支援を確認
  • 「年金担保OK」を謳う業者はヤミ金。金融庁・警察・消費生活センターに相談

※本記事は2026年7月時点の各社公表情報・関連法令・公的資料をもとに作成しています。制度内容・支給額・申込条件は改正・変更される場合があります。実際の借入・公的支援の申請は各金融機関・自治体・社会福祉協議会の最新案内で確認のうえ、ご自身の判断と責任で手続きしてください。返済が困難な場合は、無理な借入継続を避け、法テラス・自治体窓口・弁護士等の専門機関にご相談ください。