【結論】一人暮らしの生活費、平均は約17万円だが「内訳」は異なる
これから一人暮らしを始める方や、なかなか貯金ができずに悩んでいる方にとって、「普通はいくらかかるものなのか?」という相場感は非常に気になるポイントです。
総務省統計局が発表した「家計調査(2024年平均)」によると、単身世帯(一人暮らし)の1ヶ月の消費支出平均は169,547円です。しかし、これはあくまで全国の全年齢平均であり、住んでいる地域や働き方、年齢によって「必要な額」は大きく変動します。
出典:家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要|総務省
本記事の結論
- 一人暮らしの生活費の目安は17万円前後ですが、都市部や若年層では家賃負担が重くなる傾向があります。
- 「平均値」に合わせるのではなく、自分の手取り収入に合わせた「比率」で予算を組むことが重要です。
- 現在、生活費がカツカツな場合は、節約だけでなく副業や資産運用による収入増も視野に入れましょう。
- この記事では、統計データとリアルな相場感をもとに、あなたにとっての「適正な生活費」を算出するための判断材料を提供します。
データで見る「一人暮らしの生活費」平均と内訳
まずは、公的な統計データから「平均的な一人暮らしの内訳」を見てみましょう。以下は2024年の家計調査報告に基づく、単身世帯の1ヶ月あたりの支出内訳です。
■一人暮らしの1ヶ月の平均支出(全国・全年齢)

費目 | 金額(円) | 割合(概算) | 備考 |
消費支出合計 | 169,547 | 100% | |
食費 | 48,204 | 28.4% | 外食費を含む |
住居 | 23,373 | 13.8% | ※持家等を含む平均値 |
光熱・水道 | 12,817 | 7.6% | 電気・ガス・水道 |
家具・家事用品 | 5,938 | 3.5% | 日用雑貨など |
被服及び履物 | 5,175 | 3.1% | 服・靴 |
保健医療 | 8,502 | 5.0% | 薬代・診療代 |
交通・通信 | 20,564 | 12.1% | スマホ代・定期代 |
教養娯楽 | 20,375 | 12.0% | 趣味・旅行など |
その他 | 24,592 | 14.5% | 交際費・理美容など |
(出典:総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」より作成)
注意:住居費(家賃)の数字について
表の「住居費」が約2.3万円と非常に安く見えますが、これは「持ち家の人」や「社宅等の格安家賃の人」も含んだ平均値だからです。 これから賃貸で一人暮らしをする場合、実際には5万円〜8万円程度(地域による)を住居費として見込んでおく必要があります。
実際に重視すべきポイント
- 食費は約4.8万円: 自炊と外食を組み合わせると、これくらいが標準的なラインです。
- 通信・交通費は約2万円: スマホ代やWi-Fi代、通勤以外の交通費を含みます。格安SIMなどを活用すれば削りやすい項目です。
「家賃は手取りの3割?」「食費2万円?」よくある噂をデータで検証
ネットやSNSでよく見かける「生活費の目安」について、最新の統計データと照らし合わせて検証します。
噂①「家賃は手取りの3分の1までに抑えるべき」
- 判定:都市部では厳しいが、目安としては妥当な手取り20万円の場合、家賃目安は約6.6万円となります。地方都市なら十分可能ですが、都内23区などでは選択肢が限られます。 家賃相場が高いエリアに住む場合は、「手取りの3割」を超えても良い代わりに、食費や娯楽費を調整する工夫が必要です。
噂②「食費は月2〜3万円に抑えられる」
- 判定:かなり努力が必要(平均とのギャップ大) 統計上の食費平均は48,204円です。月2〜3万円に抑えるには、完全自炊かつ徹底した食材管理が必要です。 特に最近は物価上昇の影響で、食費は削りにくくなっています。最初から「2万円」という厳しい目標を立てず、まずは「4万円」程度で予算を組むのが現実的です。
噂③「光熱費は1万円あれば大丈夫」
- 判定:季節によるが、平均よりやや厳しい 光熱・水道費の平均は12,817円です。春や秋は1万円以内に収まりますが、エアコンを使う夏・冬は電気代が跳ね上がります。年間を通してならすなら、1.2万円〜1.3万円を見ておくと安心です。
【属性別】地域・年代で変わる生活費のリアル
「平均値」だけでは見えてこない、地域差や年齢による違いを比較します。
地域差:関東(都市部)と全国
都市部での一人暮らしは、やはりコストがかかります。2025年7-9月期単身世帯の家計調査データで比較してみましょう。
- 関東地方の消費支出: 約17.8万円
- 全国平均の消費支出: 約16.3万円
特に関東地方では、家賃やサービス価格が高いため、地方に比べて月1.5万円ほど出費が多くなる傾向があります。都内で一人暮らしをする場合は、生活費全体で18万円〜19万円程度を見込んでおくと安全です。
年代差:34歳以下の若手社会人
「勤労者世帯(働いている人)」のうち、34歳以下の若年層単身者のデータを見てみます。
- 消費支出: 172,296円
- 手取り収入(可処分所得): 264,618円
- 黒字(貯蓄に回せる額): 90,870円
若い世代は、高齢層に比べて「保健医療費」が少ない(平均の約半分の4,433円)一方で、「家賃」の実質負担額が高い傾向にあります。 統計上、34歳以下の単身勤労者の持家率はわずか4.7%です。多くの人が賃貸を利用しており、手取りの多くを家賃が占めている実態があります。
出典:家計調査 2025年(令和7年)7~9月期平均 単身世帯|総務省
あなたはどのタイプ?ライフスタイル別「理想の家計簿」モデル
自分の価値観に合わせて、お金をかける場所と削る場所を決めることが、無理なく生活するコツです。ここでは手取り20万円を想定した3つのモデルを紹介します。
A. バランス型(初心者向け)
無理なく暮らし、少しずつ貯金もしたい人向け。
- 家賃:6.5万円
- 食費:4.0万円
- 水道光熱・通信:1.5万円
- 娯楽・交際・被服:3.0万円
- 日用品・その他:1.0万円
- 貯金:4.0万円
B. 都会暮らし満喫型(家賃・趣味重視)
良い部屋に住みたい、推し活や趣味にお金を使いたい人向け。固定費以外の節約が必須です。
- 家賃:7.5万円(↑)
- 食費:3.0万円(自炊必須)
- 水道光熱・通信:1.0万円(格安SIM等活用)
- 娯楽・交際・被服:5.5万円(↑)
- 日用品・その他:1.0万円
- 貯金:2.0万円(少なめだが確保)
C. 堅実貯蓄型(将来への備え重視) 将来のために資産形成を優先したい人向け。
- 家賃:5.5万円(↓)
- 食費:3.0万円
- 水道光熱・通信:1.0万円
- 娯楽・交際・被服:2.0万円
- 日用品・その他:0.5万円
- 貯金・投資:8.0万円(↑)
「家計の型」を決める際は、まず譲れないもの(家賃なのか、食費なのか)を決め、残りの予算を割り振っていくとうまくいきます。
まずは「現状の見える化」から始めよう
一人暮らしの生活費は、「平均」を知ることも大切ですが、それ以上に「自分の支出」を把握することがスタートラインです。
「何に使ったか分からないお金」が多い状態では、どんなに収入が増えても生活は楽になりません。まずは1ヶ月だけで良いので、家計簿アプリや簡単なメモを使って支出を記録してみましょう。
- 生活費の内訳を自動で見える化するツール: 銀行口座やカードと連携できる家計簿アプリを活用すると、手間なく支出管理ができます。
- 収支シミュレーション: 各種金融機関のサイトなどで、ライフプランに合わせた収支バランスを診断してみるのもおすすめです。
平均データはあくまで「ものさし」です。自分のライフスタイルに合った内訳を見つけ、無理のない一人暮らし生活を設計してください。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や契約の媒介を行うものではありません。最終的な家計の見直しや契約の判断は、お客様ご自身の責任において行ってください。 また、本記事は、総務省統計局のデータ(2024年平均、2025年速報等)に基づき作成していますが、個人の生活様式や地域により実際の費用は異なります。一般的な参考情報としてご活用ください。

