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住宅ローンシミュレーションの正しい見方!借りられる額より返せる額を知ろう
住宅・不動産公開日: 2026/02/18

住宅ローンシミュレーションの正しい見方!借りられる額より返せる額を知ろう

住宅ローンの金額、これで本当に大丈夫?

マイホーム購入は人生最大の買い物と言われます。「本当にこの金額でローンを組んで、将来の生活は大丈夫だろうか?」「金利が上がったら返済できなくなるのでは?」という不安を感じるのは当然のことです。

住宅ローンの返済計画は、自己資金の額、金利タイプ、返済期間、そして毎月の返済比率など、多くの要素が複雑に絡み合っています。だからこそ、不動産会社や銀行任せにするのではなく、自分でシミュレーションを行い、家計への影響を可視化することが最大の「家計防衛」になります。

本記事では、住宅ローンシミュレーションの重要性や、数字の正しい読み解き方、そして多くの人が陥りがちな「落とし穴」について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

また、住宅金融支援機構や不動産ポータルサイトなどが提供している役立つツールも紹介しますので、ぜひ活用してみてください。

なぜ事前のシミュレーションが不可欠なのか

「銀行が貸してくれる金額」と「あなたが無理なく返せる金額」は、イコールではありません。ここに、シミュレーションが必要な最大の理由があります。

金融機関の審査における「借入可能額(限度額)」は、あくまで年収に対する返済比率などの基準を満たしているかを示す最大値です。しかし、実際の生活には、教育費、老後資金の積立、家の修繕費、趣味の費用など、ローン返済以外の支出が多く存在します。

「借りられる最大額」でローンを組んでしまうと、予期せぬ出費や収入減があった際に、家計が破綻するリスクが高まります。

また、住宅ローンは最長35年という長い付き合いになります。その間には、金利が上昇したり、子供の進学で教育費がピークを迎えたりと、ライフイベントによる収支の変化が必ず訪れます。 特に、「フラット35」のような全期間固定金利型を選ぶか、変動金利型を選ぶかによって、将来の総返済額は大きく異なります。

こうした不確定要素を事前に数字として把握し、リスクを想定しておくために、シミュレーションは欠かせないのです。

初心者でも分かる!シミュレーション項目の読み方

シミュレーションツールを使う際に出てくる基本的な項目と、それらが結果にどう影響するかを整理します。

  • 年収(世帯年収・個人年収): 借入可能額のベースとなる数字です。共働きの場合、夫婦合算(世帯年収)で計算すれば借入額を増やせますが、どちらかが働けなくなった際のリスクも考慮する必要があります。
  • 返済比率(返済負担率): 年収(額面)に占める年間返済額の割合です。一般的に「20〜25%以内」が安心ラインと言われますが、教育費などがかかる家庭では20%前後を目安にするとより安全です。
  • 金利(%): わずか数%の違いで、総返済額に数百万円の差を生まれます。

【 例:3,000万円を35年返済で借りた場合】

  • 金利0.5%の場合:総返済額 約3,270万円
  • 金利1.5%の場合:総返済額 約3,850万円
  • 差額:約580万円

このように、金利1%の差は非常に大きなインパクトを持ちます。

  • ボーナス返済: 月々の返済額を減らすために利用されますが、ボーナスは景気や業績によりカットされるリスクがあります。利用する場合でも、ボーナス依存度は低めに設定するのが賢明です。
  • 借入期間: 期間を長くすれば(例:40年)月々の負担は軽くなりますが、利息を支払う期間が長くなるため、総返済額は増えます。逆に期間を短くすれば総支払額は減りますが、月々の負担は重くなります。
  • 頭金(自己資金): 頭金を多く入れれば借入額が減り、返済が楽になりますが、手元の貯金を使いすぎると急な出費(病気や失業など)に対応できなくなります。バランスが重要です。

失敗しないための「5つの視点」でのシミュレーション

単に「月々いくらか」を見るだけでなく、以下の5つの視点を切り替えながらシミュレーションを行うことが重要です。

視点1:毎月キャッシュフロー視点

「今の家賃と同じなら払える」と安易に考えるのは危険です。持ち家には、固定資産税や修繕積立金(マンションの場合)といった維持費がかかります。これらを加えた「実質住居コスト」が、現在の家計収支で無理なく払えるかを確認しましょう。

視点2:総返済額・金利負担視点

目先の安さだけでなく、「35年間でトータルいくら払うのか」を比較します。「変動金利」と「固定金利」で迷った際は、月々の差だけでなく、完済までの総支払額の差を見て判断材料にしましょう。

視点3:金利上昇シナリオ視点(変動金利の場合)

現在は低金利でも、将来金利が上がる可能性があります。金利が0.5%、1.0%、2.0%上がった場合に、月々の返済額がいくら増えるかを試算し、「上昇しても家計が耐えられるか(許容範囲内か)」をチェックしてください。

視点4:ライフイベント・将来設計視点

住宅金融支援機構の「資金計画シミュレーション」などを活用すると、将来のライフイベントを踏まえたキャッシュフローを試算できます。子供が大学に進学する時期や、定年退職後の時期に、ローン返済が家計を圧迫しないか確認しましょう。

視点5:共働き前提が崩れたときの視点

ペアローンなどを検討している場合、「どちらかが仕事を辞める」「産休・育休で収入が減る」といったケースも想定し、片方の収入だけでも返済が継続できるか、あるいは貯蓄でカバーできるかを試算し、「安全側の返済額」を見つけておくことが大切です。

意外と知らない?よくある落とし穴と注意点

シミュレーションの結果を過信しすぎたり、前提条件が甘かったりすると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。

  • 金利の低さだけで決めてしまう: 変動金利の当初の低さだけに目を奪われ、将来の上昇リスクを考慮していないケースです。「金利が上がったらどうするか(繰り上げ返済する、借り換える等)」の出口戦略を持たずに借りるのはリスクが高いと言えます。
  • 銀行の「借入可能額MAX」を鵜呑みにする: 前述の通り、借りられる額と返せる額は違います。銀行が提示する上限額は、あくまで「審査上の上限」であり、生活のゆとりを保証するものではありません。
  • ボーナス返済への過度な依存: 「月々の支払いを安く見せたい」ためにボーナス返済比率を高く設定しすぎると、転職や企業の業績悪化でボーナスが減った途端に返済が苦しくなります。
  • 住宅関連以外の支出を忘れている: 教育費、車の買い替え費用、保険料、老後資金の積立など、人生には住宅以外にも多くのお金がかかります。これらを全く織り込まずに「返済比率ギリギリ」でローンを組むのは避けましょう。

用途別:おすすめのシミュレーションツール

Web上には多くのシミュレーションツールがありますが、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。

1. 住宅金融支援機構「住宅ローンシミュレーション」

公的な機関が提供するツールであり、信頼性が高いのが特徴です。「フラット35」を検討中の方はもちろん、将来のライフイベントを踏まえたキャッシュフローや、借り換えの試算など、詳細なシミュレーションが可能です。

• 特徴:資金計画、返済プラン比較、リフォーム融資、借換えなど多岐にわたる試算が可能。

住宅ローンシミュレーション|住宅金融支援機構

2. SUUMO(スーモ)「支払額シミュレーション」

物件探しのついでに、スマホで手軽に試算したい場合に便利です。物件価格や金利を入力するだけで、瞬時に月々の返済額イメージを掴むことができます。

• 特徴:操作が簡単で、購入検討物件とセットで返済額を確認しやすい。

支払額シミュレーション|SUUMO

3. 各銀行の公式サイト

具体的な金融機関での借り入れを検討している場合は、その銀行のシミュレーターを使うことで、独自の金利プランや諸費用を含めたより精緻な数字が出せます。

【活用のポイント】

まずはSUUMOなどでざっくりとしたイメージを掴み、次に住宅金融支援機構のツールなどで「金利上昇シナリオ」や「ライフプラン」を含めた詳細な検討を行う、といった使い分けが良いでしょう。

まとめ:将来の変化を見越して「安全圏」を知ろう

住宅ローン選びで最も大切なのは、「いくらまで借りられるか」を追求することではなく、「将来どのような変化があっても、無理なく返せる額はいくらか」という安全圏を知ることです。

シミュレーションは一度やって終わりではありません。 「もし金利が上がったら?」「もし収入が減ったら?」と条件を変えながら複数のパターンを試算することで、漠然とした不安が具体的な数字に変わり、冷静な判断ができるようになります。

まずは、今回紹介したツールを使って、ご自身の世帯年収や家族構成を入力し、「無理のない返済ライン」を探ってみてはいかがでしょうか。事前の準備こそが、将来の安心なマイホーム生活を守る鍵となります。


免責事項 :本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や契約の推奨を行うものではありません。実際の金利や返済条件は、各金融機関の審査結果や経済情勢により変動します。

ご契約・お申し込みに関する最終的な判断は、お客様ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

(※本記事における試算例は概算であり、実際の結果とは異なる場合があります)