20代で積立NISAなどの投資を検討する際、多くの人が直面するのが「毎月いくら積み立てるべきか」という疑問です。「平均はいくらなのか」「月1万円では少なすぎるのか」といった不安を感じる方も少なくありません。 この記事では、一般的な積立額の目安や、それぞれの家計状況・ライフプランに合わせた金額を判断するための軸について解説します。
20代の積立投資、まずは毎月いくらから始めるべき?
積立額について、すべての人に共通する「正解」や「平均額」はありません。重要なのは、周りの金額に合わせるのではなく、ご自身のキャッシュフローに合わせた無理のない範囲で設定することです。 現在の貯蓄状況に応じた一つの目安として、以下のようなレンジが考えられます。
- 生活防衛資金がまだ少ない方:月1万円〜2万円
- ある程度貯金がある方:月3万円〜5万円
生活を切り詰めてまで投資を行うことは推奨されません。まずは「生活に支障がない」と感じられる少額からスタートし、家計の状況を見ながら少しずつ見直していくのが一般的な方法です。
20代が積立額を迷ってしまう3つの理由
20代が積立額を決めにくい背景には、この年代ならではのいくつかの理由があります。
- 収入の変動と生活費の違い 社会人になったばかりの頃は手取り収入が安定しなかったり、一人暮らしか実家暮らしかで固定費に大きな差が生じます。
- ライフイベントが不確実 結婚、転職、引っ越しなど、20代は将来のライフステージが変化しやすい時期です。数年後に大きなお金が必要になる可能性があるため、投資にお金を回すことに慎重になる傾向があります。
- 奨学金の返済など 毎月奨学金の返済がある場合、自由に使えるお金が限られるため、積立額を捻出するのが難しく感じられるケースも多いです。
このように「将来が読めない」状況にあるため、金額の判断に迷ってしまうのは自然なことだと言えます。
自分に合った積立額を決めるための4つの判断軸
では、具体的にどのような基準で金額を設計すればよいのでしょうか。以下の4つの軸を参考に、ご自身の状況を整理してみてください。
- 軸1:生活防衛資金の有無 投資を始める前に、まずは緊急資金として「生活費の3ヶ月分〜1年分」を現金で確保することが推奨されています。
たとえば1ヶ月の生活費が20万円なら、60万円〜240万円が生活防衛資金の目安です。この資金がまだない場合は、現金貯金を優先し、投資は少額にとどめるのが無難です。
- 軸2:手取り収入と固定費のバランス 家賃や通信費、保険料などの固定費を差し引いた後、毎月手元に残る金額を把握しましょう。
残ったお金の全額を投資に回すのではなく、急な出費にも対応できる余裕を持たせることが大切です。
- 軸3:今後のライフステージの予定 数年以内に住宅購入などの予定がある場合は注意が必要です。住宅購入の目安として、建売住宅は約3,719万円、マンションは約4,848万円かかるといわれています。
近い将来に使う予定のある大きなお金は、価格変動リスクのある投資ではなく、現金で準備しておくのが原則です。
- 軸4:投資への心理的抵抗感 投資には元本割れのリスクがあります。価格変動により不安を感じるようであれば、それは積立額が多すぎるサインかもしれません。精神的に無理のない金額を設定しましょう。
【ライフステージ別】20代におすすめの積立モデル
さまざまな状況に応じた積立額のモデルケースをご紹介します。ご自身の状況に近いものを参考にしてみてください。
- 社会人1〜2年目(生活安定前) まずは月1万円程度からスタート。生活リズムと毎月の支出が安定してきたら、ボーナス月に上乗せをするなど、無理のない範囲で経験を積んでいく方法があります。
- 実家暮らし(貯金がしやすいタイプ) 一人暮らしに比べて家賃負担がないため、生活防衛資金を早めに確保できます。貯金が貯まったら、月3万円〜5万円の積立に増額することも検討できるでしょう。
- 結婚・同棲を検討中 将来の家計を見据え、当面必要な結婚資金や引っ越し費用は現金で貯めつつ、将来に向けた資金は月1万〜2万円ずつ積み立てるなど、目的ごとに分けて整理するケースです。
- キャリア志向・収入アップ見込みタイプ 初期は少額で始め、昇給のタイミングに合わせて積立額を自動的に増額していくモデルです。生活水準を急に上げず、増えた収入分を投資に回す仕組みを作ることで、着実な資産形成を目指します。
早く始めるほど有利?将来の資産額シミュレーション
長期間運用を続けることで「複利効果」が働き、将来的な資産額が成長する可能性があります。 毎月の積立額と想定利回りによって、将来の資産額がどのように変化し得るかを計算したシミュレーションの目安は以下の通りです(※手数料・税金等は考慮しておらず、将来の運用成果を保証するものではありません)。
- 月1万円を積み立てた場合 年利3%で20年:約328万円(元本240万円) 年利5%で30年:約832万円(元本360万円)
- 月3万円を積み立てた場合 年利3%で20年:約984万円(元本720万円) 年利5%で30年:約2,496万円(元本1,080万円)
- 月5万円を積み立てた場合 年利5%で20年:約2,055万円(元本1,200万円) 年利5%で40年:約7,630万円(元本2,400万円)
将来の老後資金として、夫婦高齢者無職世帯の支出は約27万円/月、ゆとりある生活を送る場合は約38万円/月が必要というデータがあります。
少額であっても早い段階から投資を始めることで、運用期間を長く確保することができます。 なお、参考として過去のインデックスの直近1年の利回り実績を見ると、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は約20%、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は約15%となっています。
ただし、これらは過去の実績であり、単年では大きく変動することもあるため、長期的な視点を持つことが重要です。
出典:総務省|家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)
生命保険文化センター|2025(令和7)年度 生活保障に関する調査《速報版》
MINKABU|投資信託利回り(リターン)ランキング
実際にいくら積み立ててる?20代のリアルな声
積立投資を行っている20代は、どのように金額を工夫しているのでしょうか。ITトレンドマネー編集部が調べたネットの声を集めてみました。
- 「最初は月1万円から始めて、家計に響かないことがわかってから少しずつ増やしました」
- 「毎月カツカツになるのが嫌だったので、月々の設定は少なめにしておき、余裕がある月に手動で追加投資をしています」
- 「周りが月5万円やっていると聞いて無理して合わせたら、急な出費に対応できず不安になりました。結局、自分が安心できる月2万円に変更しました」
こうした声からも、最初は少額から始め、ご自身の状況の変化に合わせて柔軟に調整していくスタイルが多くの人に取り入れられていることがわかります。
積立投資に関するよくある質問(FAQ)
Q. 月1万円の少額では意味がないですか?
そのようなことはありません。長期で続けることによる複利効果のほか、少額から投資の仕組みや値動きに慣れていくという「経験」を得られる点でも意義があります。
Q. 途中で積立金額を変更してもいいですか?
はい、積立金額はいつでも変更可能です。収入の変化や急な出費があった際には減額し、余裕ができたら増額するといった対応ができます。
Q. 毎月赤字になりそうな時はどうすればいいですか?
一時的に積立を停止することも可能です。生活を苦しくしてまで続ける必要はありません。運用自体はストップせず、これまで投資した分をそのまま運用継続し、家計が安定したタイミングで再開することをご検討ください。
まとめ:完璧な金額設定より、無理なく続けることが大切
20代の積立額について、最後にポイントを整理します。
- 一般的な平均額に合わせるのではなく、ご自身の生活防衛資金や今後のライフイベントを基準に決める。
- 現金が少ないうちは月1万〜2万円、余裕があれば月3万〜5万円を目安に。
- 完璧な金額をはじめから設定する必要はなく、いつでも変更できるという安心感を持つ。
これらの軸を頭に入れつつ、自分に合った投資額を見極め、少ないうちからでも始める意識を持つことが重要です。
ここまで読んで、少しでも「自分は大丈夫だろうか」と感じた方へ。
将来の不安は見えないことから生まれます。逆に言えば、今の状況が整理できるだけでも、次に何をすべきかは見えてきます。あなたの収入・支出・貯蓄状況をもとに、今の立ち位置をチェックしてみませんか?

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