2025年4月から国内クレジットカードのサイン決済が原則廃止になり、店頭での本人確認は暗証番号(PIN)が中心になりました。「いつから」「なぜ」「法律で決まったのか」「タッチ決済はどうなる」「暗証番号を忘れたらどうする」など、利用者目線で気になるポイントは複数あります。この記事では、サイン廃止の経緯・背景・例外条件・国際ブランド別の対応・利用者ができる対処までを整理して解説します。
編集部の結論:2025年4月から原則「暗証番号(PIN)」が必要に
編集部の見解として、サイン廃止は2025年4月から始まった業界全体の動きで、原則として店頭支払い時には暗証番号(PIN)入力が必要になりました。完全にサインがなくなったわけではなく、タッチ決済や海外発行カードなど一部例外は残りますが、日常的には暗証番号での認証が標準になっています。
項目 | 内容 |
|---|---|
サイン廃止開始時期 | 2025年4月1日 |
根拠 | 日本クレジット協会(JCA)のセキュリティガイドライン |
法律か? | 法律ではなく業界の自主ルール |
代替認証方法 | 暗証番号(PIN)入力 |
対応国際ブランド | Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club |
例外ケース | タッチ決済(少額)・IC非対応カード・海外発行カード等 |
- 暗証番号を忘れている方はカード会社で再通知を依頼:郵送で1週間程度かかる
- タッチ決済は基本的にサイン・PINとも不要:少額取引で活用
- 古い磁気カード(IC非対応)は店舗側で対応が異なる:カード更新を推奨
- 海外利用ではサインが残る場面もある:現地のルールに従う
- 完全廃止ではなく「原則廃止」:例外を理解しておくと安心
クレジットカードのサイン廃止はいつから?
国内クレジットカードのサイン決済は 2025年4月1日から原則廃止になりました。これは日本クレジット協会(JCA)のセキュリティガイドラインに基づく業界共通の方針で、Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Clubといった主要国際ブランドはいずれもこの方針に対応しています。
2025年4月1日より前は、IC対応カードでもサイン認証が認められる場合がありましたが、4月以降は原則として暗証番号(PIN)入力が必要になり、店頭でのサイン記入の運用が大きく減りました。
すでに2024年中から「カードを差し込んで暗証番号を入力してください」という対応が多くの店舗で始まっており、サイン廃止の実態は4月以前から徐々に進行していた経緯があります。
クレジットカードのサイン廃止はなぜ起きたのか
不正利用対策の強化
サイン認証は本人確認方法として偽造されやすいリスクがありました。サインの真偽を加盟店側のスタッフが瞬時に判別することは困難で、不正利用に悪用されるケースが発生していました。暗証番号(PIN)による認証は本人しか知らない4桁の数字での確認になるため、サインと比べて偽造・なりすましのリスクが大きく低下します。
セキュリティ技術の進化
ICチップ搭載カードの普及により、カード自体が暗号化された情報を持つようになりました。ICチップに格納された情報と暗証番号を組み合わせた認証は、磁気カード+サインの組み合わせと比べてはるかに高いセキュリティ水準を確保できます。世界的にも欧米諸国を中心にIC+PIN認証が標準化されており、日本もこの流れに合わせる形になりました。
PINバイパスの廃止
「PINバイパス」と呼ばれる「暗証番号入力をスキップしてサイン認証で済ませる機能」が業界全体で廃止されたことも、サイン廃止の重要な背景です。PINバイパスは利便性のために残っていた仕組みですが、不正利用の温床になりやすいため、JCAのガイドラインで原則禁止されました。
サイン廃止は法律で決まったのか?
サイン廃止は 法律ではなく、業界団体(日本クレジット協会、JCA)の自主ガイドラインに基づくものです。法律として強制力があるわけではありませんが、主要なカード会社・国際ブランドが自主的にこのガイドラインを遵守する形で、実質的に業界全体に適用される強い影響力を持つ方針となっています。
カード会社・加盟店はJCAのガイドラインに沿って端末・決済システムを改修し、サイン認証から暗証番号認証への移行を進めてきました。このため、利用者側からは「業界全体で一斉にサイン廃止になった」と感じられる構造です。
サインの代わりに必要な認証方法
2025年4月以降の店頭支払いでは、以下の認証方法に集約されています。
認証方法 | 内容 | 主な利用シーン |
|---|---|---|
暗証番号(PIN)入力 | ICチップ搭載カードを端末に差し込み、4桁の暗証番号を入力 | 通常の店頭支払い |
タッチ決済(少額) | カードまたはスマホをタッチするだけで決済完了 | 少額取引(目安1万円以下、店舗・ブランドにより異なる) |
タッチ決済(高額) | タッチ後に暗証番号入力 | 1万円超のタッチ決済 |
サイン(例外的に残る) | 暗証番号未対応カード・海外発行カード等 | 例外ケース |
サイン廃止の例外と「サインができる」ケース
サイン廃止は「原則廃止」であり、以下のケースでは引き続きサインが残ったり、暗証番号入力が省略されたりします。
タッチ決済(少額取引)
Visa・Mastercard・JCB・American Expressなどの主要ブランドのタッチ決済では、少額取引(目安1万円以下、ブランド・店舗で異なる)であればサイン・暗証番号とも不要です。コンビニや少額の日常支払いでは引き続きタッチ決済が便利に使えます。1万円を超える金額のタッチ決済では、暗証番号入力が必要になるケースが増えています。
IC非対応(磁気のみ)のカード
古い磁気のみのカード(ICチップ非搭載)では、店舗側の端末対応によりサイン認証が残るケースがあります。ただし、IC対応カードへの切り替えがほぼ完了している現状では、磁気のみのカードを使うケース自体が稀になっています。手持ちのカードが磁気のみの場合は、カード会社にIC対応カードへの切り替えを依頼するのが安全です。
海外発行カード
海外発行のクレジットカードで、PIN(暗証番号)による本人確認に対応していない場合、国内店舗での利用時に電子サインの記入を求められるケースが残ります。海外旅行者・在日外国人の利用などで発生する例外で、加盟店スタッフが個別対応する形が一般的です。
暗証番号未設定・PIN対応外のカード
カード会社・カード種別によっては、そもそもPINが設定されていない、もしくはPIN対応外のカードも一部存在します。この場合は加盟店の判断でサイン認証または別の確認方法が取られます。手持ちのカードが該当する場合は、カード会社にPINの新規設定が可能か確認します。
店舗端末がIC対応していない場合
加盟店側の決済端末がIC対応・PIN入力対応していない場合、原則として磁気スワイプ+サイン認証で対応する流れになります。ただし、加盟店規約改定によりIC対応端末の導入が義務化されてきており、未対応の店舗は減少傾向にあります。
国際ブランド別の対応(Visa・Mastercard・JCB・アメックス)
主要国際ブランドのサイン廃止対応状況を整理します。
Visa
Visaブランドのカードは2025年4月以降、原則として暗証番号認証が必要です。タッチ決済(Visaタッチ)は引き続き少額取引で利用可能で、利便性とセキュリティのバランスが取れた構成です。Visaの加盟店規約も2024年中に改定が進み、IC+PIN認証の徹底が業界共通方針として確立しています。
Mastercard
Mastercardブランドのカードも、Visa同様に2025年4月以降は暗証番号認証が原則です。Mastercardコンタクトレス(タッチ決済)も少額取引で利用可能で、運用ルールはVisaと基本的に同じ枠組みです。
JCB
JCBブランドのカードも2025年4月から本人確認方法として暗証番号(PIN)入力を原則とし、サイン認証の運用は例外的なケースに限定されています。JCBコンタクトレス(タッチ決済)は少額取引で引き続き利用可能です。JCBは2025年8月以降の運用変更について追加の案内も出しており、利用者は公式の最新情報を確認しておくと安心です。
American Express(アメックス)
American Express(アメックス)も他主要ブランド同様、2025年4月以降は暗証番号認証が原則です。アメックスのタッチ決済も少額取引で利用でき、ブランドごとの大きな差はありません。一部の高額利用シーン(高級ホテル・高級レストラン等)では、引き続きサインを求められるケースも残っている場合があるため、利用先で確認するのが現実的です。
Diners Club
Diners Clubも他ブランド同様、業界共通の方針に沿って暗証番号認証を原則としています。元々高額決済が中心のブランドのため、PIN認証への移行は順調に進んでいます。
暗証番号がわからない場合の対処

サイン廃止に伴い、暗証番号(PIN)を覚えていない場合は店頭での支払いができなくなる可能性があります。暗証番号がわからない場合の対処法を整理します。
カード会社に再通知を依頼する
多くのカード会社では、暗証番号を忘れた場合の郵送による再通知サービスを提供しています。会員専用サイトや電話で再通知を依頼すると、暗証番号が記載された書類が郵送で届きます(数日〜1週間程度)。なお、電話やメールで暗証番号を直接教えてもらえることはなく、郵送が基本です。
暗証番号を変更する
「以前の暗証番号を覚えていないが、新しい暗証番号を設定したい」という場合は、カード会社の暗証番号変更手続きを利用します。本人確認のうえ新しい4桁の暗証番号を設定し、その後郵送等で確認の通知が届く流れです。
店頭で別の支払い方法を選ぶ
急ぎで支払いを完了したいが暗証番号がわからない場合は、現金払い・別のクレジットカード・QRコード決済・電子マネー等の代替支払い方法に切り替えるのが現実的です。暗証番号の再通知を待つ間は、複数の支払い手段を用意しておくと安心です。
事前に確認しておく
サイン廃止以降は、暗証番号がわからないと店頭で困る場面が増えました。普段使っているカードについては、事前に暗証番号を確認しておくか、忘れる前に書き留めておくなどの対応が現実的です。書き留めた紙はカードと別の場所に保管し、紛失・盗難リスクには別途配慮します。
サイン廃止と店舗・利用者への影響
店舗側の対応
加盟店ではIC・PIN対応の決済端末への入れ替えが進められています。決済端末がIC+PINに対応していれば、店頭スタッフはお客様のカードを受け取って端末に挿入し、暗証番号入力を促す運用になります。サイン記入の手間がなくなり、決済時間が短縮される利点があります。
利用者側の対応
利用者側では、以下の準備をしておくとサイン廃止後の店頭利用がスムーズになります。
- 普段使うクレジットカードの暗証番号を確認・記憶する
- 暗証番号がわからない場合はカード会社に再通知を依頼
- 古い磁気カードはIC対応カードへの切り替えを進める
- 少額決済はタッチ決済で済ませる(暗証番号不要)
- 暗証番号入力を3回連続で誤らないよう注意(カードロックの原因)
暗証番号を間違えるとカードがロックされる
暗証番号を一定回数(多くのカードで3回)連続で間違えると、カードがロックされて店頭での利用ができなくなります。ロック解除にはカード会社への連絡が必要で、解除まで時間がかかる場合があります。慎重に入力し、自信がないときは無理せず別の支払い方法に切り替える判断も重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. クレジットカードのサイン廃止はいつから始まりましたか?
2025年4月1日から原則廃止となりました。日本クレジット協会(JCA)のセキュリティガイドラインに基づく業界共通の方針で、主要なカード会社・国際ブランドが対応しています。
Q. サイン廃止は法律で決まったのですか?
法律ではなく、業界団体(JCA)の自主ガイドラインによる方針です。法律として強制力があるわけではありませんが、主要カード会社・国際ブランドが自主的に遵守する形で実質的に業界全体に適用されています。
Q. なぜサインを廃止することになったのですか?
主な理由は不正利用対策とセキュリティ強化です。サイン認証は偽造リスクが高く、暗証番号(PIN)による認証のほうがセキュリティ水準が高いため、業界全体でPIN認証に統一する方向で進められました。また、ICチップ+PIN認証への移行は世界的なクレジットカード決済の標準でもあります。
Q. タッチ決済もサインや暗証番号が必要ですか?
少額取引(目安1万円以下、店舗・ブランドで異なる)であれば、タッチ決済はサイン・暗証番号とも不要です。1万円を超える金額のタッチ決済では、暗証番号入力が必要になるケースが増えています。コンビニや日常の少額決済では、タッチ決済が引き続き便利に使えます。
Q. 暗証番号を忘れた場合はどうすればよいですか?
カード会社に再通知を依頼してください。会員専用サイトまたは電話で手続きでき、暗証番号が記載された書類が郵送で届きます(数日〜1週間程度)。電話やメールで直接教えてもらえることはなく、郵送が基本です。急ぎの場合は、代替の支払い方法(現金・他のカード・QRコード決済等)を利用します。
Q. Visa・Mastercard・JCB・アメックスでサイン廃止の対応は同じですか?
基本的には同じです。主要国際ブランド(Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club)はいずれもJCAのガイドラインに沿って2025年4月からPIN認証を原則としています。タッチ決済での少額取引時のPIN不要も共通です。一部の高額決済シーン(高級店舗等)では引き続きサインを求められるケースもあるため、利用先の運用に従ってください。
Q. サイン廃止後もサインで支払えるケースはありますか?
あります。タッチ決済(少額)・IC非対応カード・PIN未対応カード・海外発行カードなどのケースでは、サイン認証や暗証番号入力が省略されるケースが残ります。「完全廃止」ではなく「原則廃止」という枠組みです。
Q. サイン廃止で店頭の支払いは速くなりますか?
多くの場面で速くなります。サイン記入の手間がなくなり、暗証番号入力に統一されたことでレジ処理がシンプル化されます。タッチ決済を併用すれば、少額決済はさらに高速化できます。
免責事項:本記事は情報の提供のみを目的としており、特定のクレジットカード・サービスの勧誘や契約の推奨を行うものではありません。掲載しているサイン廃止の運用・対応国際ブランド・例外ケース等の情報は2026年6月時点のものであり、業界ガイドライン・各カード会社の運用変更により変更される場合があります。各カード会社・店舗ごとに具体運用が異なる可能性があるため、必ず公式情報をご確認の上、お客様ご自身の判断で行っていただきますようお願いいたします。

