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フィッシング詐欺とは|見分け方と引っかかった時の対処法
金融トラブル・詐欺公開日: 2026/07/15

フィッシング詐欺とは|見分け方と引っかかった時の対処法

この記事の執筆・監修

「カード会社から不正利用の確認メールが届いた」「宅配便の不在通知SMSに記載されたリンクを開き、IDとパスワードを入力してしまった」——こうした経験に心当たりがある方は、フィッシング詐欺の被害に遭っている可能性があります。

フィッシング詐欺とは、実在する企業やサービスになりすましたメールやSMS、偽のホームページを使って、クレジットカード番号やID・パスワードなどの重要な情報を盗み取る詐欺の手口です。この記事では、フィッシング詐欺の仕組みやよくある手口の実例、正規サイトとの見分け方、そして引っかかってしまった場合に今すぐすべき対処法を解説します。

フィッシング詐欺とは|定義と仕組み

フィッシング詐欺とは、銀行やクレジットカード会社、ECサイトなど実在する企業を装ったメールやSMSを送りつけ、本物そっくりに作られた偽サイト(フィッシングサイト)に誘導することで、ID・パスワードやクレジットカード情報などを盗み取る手口です。

警察庁も、実在のサービスや企業をかたり、偽のメールやSMSで偽サイトに誘導し、情報を盗んだりマルウェアに感染させたりする手口として注意を呼びかけています。

盗み取られた情報は、なりすましによるクレジットカードの不正利用や、ネットバンキングからの不正送金、他サービスへの不正ログインなどに悪用される可能性があります。

フィッシング対策協議会の月次報告によると、2025年に国内で報告されたフィッシング件数は約245万件にのぼり、過去最多の水準となっています。誰にでも起こり得る身近な脅威として理解しておくことが大切です。

フィッシング詐欺のよくある手口

フィッシング詐欺は、実在するサービスの通知メールやSMSに酷似した文面を使う点が特徴です。ここでは代表的な手口を3つ紹介します。

銀行・クレジットカード会社を装うケース

「不正利用を検知しました」「本人確認ができないため取引を停止します」といった件名で、銀行やクレジットカード会社を装ったメール・SMSが届くケースです。

記載されたURLをタップすると、公式サイトとよく似た偽ログイン画面が表示され、カード番号や暗証番号、ワンタイムパスワードなどの入力を求められます。緊急性をあおる文面で冷静な判断をさせないようにする点が共通した特徴です。

ECサイト・通販サイトを装うケース

大手通販サイトを名乗り、「アカウントに不正なログインがありました」「注文情報に問題があります」といった内容でログイン情報の再入力を求める手口です。

近年はメールやSMSだけでなく、QRコードを読み込ませて偽サイトに誘導する事例も報告されています。普段利用しているサイトに似たデザインのため、慌てて対応してしまう方が少なくありません。

宅配便業者を装うケース

「お荷物をお届けにあがりましたが不在でした」「配達日時の変更にはこちらから」といったSMSで、宅配便業者の再配達手続きを装う手口も広く確認されています。

国民生活センターにも、宅配事業者をかたるフィッシング詐欺に関する相談が多数寄せられており、記載のリンク先で氏名やクレジットカード情報の入力を求められたという報告があります。

正規サイトとの見分け方

フィッシングサイトは見た目こそ精巧に作られていますが、細部を確認することで正規サイトとの違いに気づける場合があります。特に送信元の情報とURL、文面の内容に注目することをおすすめします。

送信元メールアドレスとURLを確認する

メールやSMSに表示されている送信者名だけでなく、実際のメールアドレスやリンク先のURLを確認することが重要です。公式サイトと全く同じドメインを第三者が使うことはできないため、正規のドメインに似せた紛らわしい文字列や、見慣れないドメインが使われていないかをよく確認してください。

少しでも違和感があれば、メールやSMS内のリンクからはアクセスせず、ブックマークしておいた公式サイトや公式アプリから直接ログインするようにしましょう。

緊急性をあおる文面や不自然な日本語に注意する

「24時間以内に対応がない場合はアカウントを停止します」など、極端に短い期限を示して焦らせる文面は、フィッシング詐欺で多用される典型的なパターンです。

また、不自然な日本語表現や、企業名の表記ゆれ、心当たりのない取引に関する通知にも注意が必要です。少しでも不審に感じたら、その場でリンクを開かず、公式の問い合わせ窓口に電話などで直接確認することをおすすめします。

チェック項目

正規のメール・サイト

フィッシングの可能性がある例

送信元アドレス

企業の正式ドメインと一致

正式ドメインと微妙に異なる、無関係なドメイン

URL

普段利用している公式URLと同じ

見慣れないドメインや長い文字列が付加されている

文面のトーン

事務的で期限にも余裕がある

「至急」「24時間以内」など強い緊急性を強調

入力を求める情報

必要最小限の情報のみ

暗証番号やワンタイムパスワードまで求める

フィッシング詐欺に引っかかった・情報を入力してしまった場合にすぐにすべきこと

不審なサイトに情報を入力してしまったことに気づいたら、被害の拡大を防ぐために早めの対応が欠かせません。次の順番で落ち着いて対応することをおすすめします。

パスワードを直ちに変更する

入力してしまったIDやパスワードは、そのサービスだけでなく、同じパスワードを使い回している他のサービスも含めてすべて変更してください。特にメールアカウントやネットバンキングなど、他のサービスの復旧にも関わるアカウントは優先して変更することが重要です。

あわせて、可能であれば二段階認証を設定し、ログイン履歴に見覚えのないアクセスがないかも確認しておきましょう。

カード会社・金融機関に連絡する

クレジットカード番号や口座情報を入力してしまった場合は、パスワード変更と並行して、速やかにカード会社や金融機関に連絡してください。カードの利用停止や再発行の手続き、不正利用の有無の確認を依頼できます。

連絡が早いほど被害の拡大を防ぎやすくなるため、気づいた時点ですぐに問い合わせることをおすすめします。カードの利用停止から補償申請までの具体的な手順は、クレジットカードを不正利用されたら?今すぐやるべき対処法と補償の受け方を解説した記事で詳しく紹介しています。

警察・消費生活センターに相談する

フィッシング詐欺の被害に遭った場合は、最寄りの警察署の相談窓口や、警察相談専用電話「#9110」に相談することをおすすめします。

また、どう対応してよいかわからない場合や、金銭的なトラブルに発展した場合は、消費者ホットライン「188」を通じて、お住まいの地域の消費生活センターに相談することも有効です。フィッシングメールやSMSそのものについては、フィッシング対策協議会への情報提供も被害の未然防止に役立ちます。

警察庁「フィッシング対策」のページでは、最新の手口や相談窓口の一覧が案内されています。詳細はこちらをご確認ください。

被害の補償はされるのか

クレジットカード情報を入力してしまい不正利用が発生した場合、多くのカード会社は会員規約に基づく補償制度を設けており、所定の期限内に届け出れば不正利用分が請求されないケースもあります。

ただし、補償の対象や条件、届出期限はカード会社ごとに異なり、パスワードの管理状況によっては補償が受けられない場合もあります。補償の可否は個別の状況によって判断が分かれるため、断定はできません。

補償が受けられる条件・受けられないケースの詳細は、クレジットカード不正利用の対処法と補償の受け方で解説しています。まずはカード会社に速やかに連絡し、案内に沿って手続きを進めることをおすすめします。

フィッシング詐欺を防ぐための予防策

フィッシング詐欺は手口が巧妙化しているため、被害に遭ってからの対応だけでなく、日頃からの備えも大切です。

二段階認証・多要素認証を設定する

ネットバンキングやECサイト、SNSなどで二段階認証や多要素認証を設定しておくと、万が一IDとパスワードが漏れてしまっても、不正ログインを防げる可能性が高まります。設定できるサービスでは積極的に有効化し、サイトごとに異なるパスワードを使うこともあわせて心がけましょう。

リンクを直接クリックせず公式サイト・アプリを使う

メールやSMSに記載されたリンクを安易に開かず、普段利用している公式サイトをあらかじめブックマークしておいたり、公式アプリから直接ログインしたりする習慣をつけることも有効です。

少しでも不審に思った通知は、記載のリンクではなく、公式サイトや電話窓口など別の手段で内容を確認することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q. フィッシング詐欺のメールやSMSに記載のURLを開いただけで、情報を入力していない場合も危険ですか。

情報を入力していなければ被害につながる可能性は低いですが、サイトによっては閲覧しただけで不正なプログラムが仕込まれるケースも報告されています。少しでも不安な場合は、端末のセキュリティソフトでのスキャンや、パスワードの変更を検討することをおすすめします。

Q. フィッシング詐欺に引っかかったことを、家族や職場に伝えるべきですか。

特に職場のアカウントやメールを利用していた場合は、被害の拡大を防ぐためにも速やかに情報システム担当者や上司に報告することをおすすめします。個人のアカウントであっても、家族と共有しているサービスがあれば早めに伝えておくと安心です。

Q. フィッシングサイトの通報先はありますか。

フィッシング対策協議会が情報提供を受け付けているほか、警察相談専用電話「#9110」でも相談できます。悪質なサイトの拡散を防ぐためにも、気づいた時点で情報提供することをおすすめします。


免責事項:本記事は情報の提供のみを目的としており、法律的な助言を行うものではありません。被害の補償可否は各カード会社・金融機関の規約や個別状況により異なるため、記事中の情報は執筆時点のものであることをご了承ください。実際の対応は、必ずカード会社・警察・消費生活センターの最新情報をご確認のうえ、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。