パソコンでインターネットを見ていたら、突然「ウイルスに感染しました」という警告画面と警告音が鳴り響いた経験はないでしょうか。これはサポート詐欺と呼ばれる手口で、慌てて画面の電話番号に連絡すると金銭被害や遠隔操作被害につながるおそれがあります。
この記事では、サポート詐欺の仕組みとよくある手口、偽の警告画面の正しい消し方、すでに電話してしまった場合や遠隔操作を許してしまった場合の対処法を、警察庁やIPA(情報処理推進機構)などの公的情報をもとに解説します。
サポート詐欺とは
偽のウイルス警告から金銭要求までの流れ
サポート詐欺とは、パソコンの画面に偽のウイルス感染警告を表示させ、記載された電話番号に連絡させたうえで金銭をだまし取ったり、遠隔操作ソフトをインストールさせたりする詐欺の手口です。
電話をかけると片言の日本語や海外のオペレーターにつながり、有償のサポート契約や電子マネーでの支払いを求められるケースが典型的です。
相談件数は増加傾向にある
国民生活センターによると、サポート詐欺に関する相談は年間5,000件を超える水準で推移しており、2023年度は前年同期比で約1.3倍に増加しています。
特に70歳以上の高齢層からの相談件数が大きく増え、ネットバンキングの送金操作を指示される新しい手口も報告されています(出典:国民生活センター、2024年3月27日発表)。
よくあるサポート詐欺の手口
Microsoft・Appleなど大手企業を装う警告
「Microsoft」や「Apple」など実在する大手企業のロゴやサポート窓口を装い、公式の警告であるかのように見せかける手口が広く確認されています。
実際には、これらの企業が警告画面に電話番号を表示することはなく、公式のセキュリティ通知はブラウザの警告画面として突然表示される形式をとりません。
警告音と画面いっぱいの表示で焦らせる
大音量の警告音やけたたましいアラーム音を鳴らし、画面全体に警告文を表示することで、利用者を心理的に追い詰めて冷静な判断をさせない点も共通しています。
「今すぐ電話しないとデータが消える」といった時間的な切迫感をあおる文言も、サポート詐欺に典型的な特徴です。
偽の警告画面が出たときの正しい対処法

表示された電話番号には絶対に連絡しない
警告画面に表示された電話番号には、絶対に電話をかけないことが最も重要です。
警察庁やIPAも、正規のセキュリティソフトやOSの警告画面に電話番号が表示されることはないと注意を呼びかけています。
警告画面の消し方(サポート詐欺の消し方)
画面が全画面表示になって閉じられない場合は、キーボードの「ESC」キーを長押しすると、ブラウザの閉じるボタンが表示されます。
それでも消えない場合は「Ctrl」+「Alt」+「Delete」キーを同時に押してタスクマネージャーを起動し、該当するブラウザを選択して「タスクの終了」を行うと画面を閉じられます。
すでに電話してしまった・遠隔操作された場合の対処法
ネットワークを切断する
遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合は、まずLANケーブルを抜くかWi-Fiをオフにして、パソコンをネットワークから切り離してください。
ネットワークを切断することで、外部からの不正な操作や情報の送信をその場で止めることができます。
遠隔操作ソフトのアンインストールとパスワード変更
インストールさせられた遠隔操作ソフトはアンインストールし、パソコンやネットバンキングなど重要なサービスのパスワードは、被害に気づいた時点で速やかに変更しましょう。
クレジットカード情報や口座情報を伝えてしまった場合は、パスワード変更だけでなく各サービスへの連絡も並行して進める必要があります。
ウイルススキャンとシステムの復元
セキュリティソフトでパソコン全体のフルスキャンを実行し、不審なプログラムが残っていないか確認してください。
遠隔操作でどこまで操作されたか判断がつかない場合は、Windowsの「システムの復元」機能を使って、被害前の状態に戻すことも有効な手段とされています。
金銭を支払ってしまった場合の連絡先
クレジットカードで支払ってしまった場合は、カード裏面に記載の緊急連絡先からカード会社に速やかに連絡し、利用停止や不正利用の申告手続きを行いましょう。
クレジットカードを不正利用された際の具体的な対処手順や補償の受け方は、クレジットカードを不正利用されたら?今すぐやるべき対処法と補償の受け方の記事で詳しく解説しています。
電子マネーやプリペイドカードで支払った場合も、購入店やカード発行会社への相談で対応してもらえることがあるため、諦めずに問い合わせることをおすすめします。
警察・消費生活センターへの相談
被害の大小にかかわらず、最寄りの警察署や警察相談専用電話の「#9110」に相談することをおすすめします。
詐欺の手口や画面の閉じ方が分からない場合は、消費者ホットライン「188」や、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口(電話:03-5978-7509)でも相談を受け付けています。
サポート詐欺を未然に防ぐための予防策
OSとセキュリティソフトを最新の状態に保つ
OSやブラウザ、セキュリティソフトを常に最新バージョンに更新しておくことで、既知の脆弱性を悪用した表示の一部を防ぎやすくなります。
不審なポップアップが表示された段階で、慌てずにブラウザを終了する習慣をつけておくことも予防につながります。
家族や身近な人と情報を共有しておく
高齢の家族がいる場合は、サポート詐欺という手口自体の存在をあらかじめ伝えておくことが、被害の未然防止に役立ちます。
警告画面が出たときにすぐ相談できる相手を決めておくと、1人で慌てて電話をかけてしまう事態を防ぎやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. サポート詐欺とはどのような詐欺ですか。
パソコンに偽のウイルス感染警告を表示させ、記載された電話番号に連絡させたうえで金銭を要求したり、遠隔操作ソフトをインストールさせたりする詐欺の手口です。
Q. サポート詐欺の警告画面の消し方を教えてください。
「ESC」キーを長押ししてブラウザを閉じる方法が基本です。閉じられない場合は「Ctrl」+「Alt」+「Delete」でタスクマネージャーを開き、ブラウザのタスクを終了させてください。
Q. サポート詐欺の電話番号にうっかり電話してしまいました。どうすればよいですか。
金銭の支払いや遠隔操作の許可をしていなければ、まず通話を切り、その後の指示には従わないでください。不安な場合は警察相談専用電話「#9110」に相談することをおすすめします。
Q. サポート詐欺で遠隔操作されてしまいました。何をすべきですか。
ネットワークを切断し、遠隔操作ソフトをアンインストールしたうえで、パスワードの変更とセキュリティソフトによるフルスキャンを行ってください。
Q. サポート詐欺でお金を払ってしまった場合、取り戻せますか。
状況によって対応は異なりますが、クレジットカードで支払った場合はカード会社に速やかに連絡し、あわせて警察や消費生活センターに相談することをおすすめします。
Q. サポート詐欺の警告に表示される電話番号にかけても大丈夫ですか。
かけるべきではありません。Microsoftなどの正規のセキュリティ警告に電話番号が表示されることはないため、表示された時点で詐欺を疑ってください。
本記事は情報の提供のみを目的としており、法律的な助言を行うものではありません。被害に関する法的判断は個別の状況により異なるため、実際の対応は警察・消費生活センター等の公式情報をご確認のうえ、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

