「2026年、日本経済はどうなるのか」「他の投資家は何に注目しているのか」——株価の上下や物価上昇が話題になる中、こうした疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
ITトレンドMoney編集部は、個人投資家・生活者666人を対象に、2026年の景気見通しと投資見通しを聞いた独自アンケート調査を実施しました。見えてきたのは、景気については楽観派35.0%が悪化懸念派29.5%を上回る一方、投資対象としてはAI・ロボティクス関連が58.4%で圧倒的首位となる実態です。
本記事では666人の調査データをもとに、景気見通しの分布、良くなる/悪くなる理由、注目される投資対象TOP7、そして投資方針の変化までを可視化していきます。
この記事でわかる4つの発見
- 2026年の景気見通しは楽観派35.0% / 変わらない35.6% / 悪化懸念29.5%で拮抗
- 注目投資対象TOP1はAI・ロボティクス関連(58.4%)で他を大きく引き離す
- 投資方針は「増やす派」43.1%が「抑える・止める派」9.4%を上回る
- 悪化懸念の最大要因は物価上昇(41.0%)で他要因の2倍以上
2026年の景気見通しは?楽観派35%と悪化懸念派29.5%が拮抗
結論からお伝えすると、2026年の日本経済に対する見通しは「楽観派35.0%」「現状維持35.6%」「悪化懸念派29.5%」という3つの意見に分かれる結果となりました。突出した1つの見方はなく、投資家・生活者の間で判断が割れている実態が浮かび上がります。
2026年の景気見通し | 回答率 |
|---|---|
大幅に良くなる | 2.4% |
やや良くなる | 32.6% |
今とあまり変わらない | 35.6% |
やや悪くなる | 18.8% |
大幅に悪くなる | 10.7% |

楽観派(35.0%)が悪化懸念派(29.5%)を上回ってはいるものの、その差はわずか5.5ポイントにとどまります。全体としては「様子見」の姿勢が強く、慎重な見方が広がっているといえるでしょう。
景気が「良くなる」理由TOP4|賃上げ・政策・生成AI・企業投資
結論から言うと、景気が良くなると回答した235人の間では「賃金上昇」(37.9%)と「政府の経済政策」(31.1%)が主要な理由として挙げられました。
順位 | 良くなる理由 | 良くなる派内での割合 |
|---|---|---|
1位 | 賃金上昇や消費の回復が進むため | 37.9% |
2位 | 政府の経済政策や規制緩和が効果を発揮するため | 31.1% |
3位 | 生成AIなど先端技術で企業の生産性が上がるため | 14.9% |
4位 | 企業の設備投資・成長投資が増えるため | 11.9% |
5位 | 訪日外国人(インバウンド)の消費が増えるため | 2.1% |
賃上げと経済政策への期待が7割弱
1位「賃金上昇」(37.9%)と2位「政府の経済政策」(31.1%)を合わせると69.0%が「賃上げ・政策」に期待していることが分かります。近年の春闘で示された賃上げ機運や、政府の経済対策の効果が、家計や投資家心理に一定の影響を与えている傾向がうかがえます。
生成AI・企業投資に約27%が期待
3位「生成AI」(14.9%)と4位「企業投資」(11.9%)を合わせると26.8%です。テクノロジーによる生産性向上と企業成長への期待が、景気楽観派の約4分の1を占めていることも注目すべき点といえるでしょう。
景気が「悪くなる」懸念の最大要因は物価上昇(41.0%)
結論からお伝えすると、悪化を懸念する要因では「物価上昇」が41.0%と他を大きく引き離してトップとなりました。2位以下との差が2倍以上あり、家計への影響が最大の関心事となっている実態が明らかです。
順位 | 悪化を懸念する要因 | 回答率(全体) |
|---|---|---|
1位 | 物価上昇が続き、家計負担が増えるため | 41.0% |
2位 | 世界情勢の不安定化で先行きが読みづらいため | 18.3% |
3位 | 海外景気の悪化や金利動向に影響されるため | 16.8% |
4位 | 金利上昇でローンなどの負担が重くなるため | 11.6% |
5位 | 少子高齢化により経済の活力が低下するため | 3.8% |

物価上昇の懸念が突出する背景
物価上昇(41.0%)と金利上昇(11.6%)を合わせると52.6%が「日常生活のコスト増」を懸念していることになります。エネルギー価格や食料品の値上げが継続する中、体感インフレが投資判断にも影響を及ぼしている可能性があります。
一方で「世界情勢」(18.3%)「海外景気」(16.8%)を合わせた35.1%は外部要因への懸念です。地政学リスクや米国金利動向など、コントロールの効かない要素も投資家の関心の中心にあることが読み取れます。
2026年に注目する投資対象TOP7|AI関連が58.4%で圧倒的首位
結論から言うと、2026年に注目する投資対象では「AI・ロボティクス・先端テクノロジー関連」が58.4%で圧倒的な首位となりました。2位のNISA・iDeCo(39.8%)を約20ポイント引き離しており、テクノロジー領域への関心の高さが鮮明に表れています。
順位 | 投資対象 | 回答率(複数回答) |
|---|---|---|
1位 | AI・ロボティクス・先端テクノロジー関連 | 58.4% |
2位 | NISA・iDeCoなど長期の積立・分散投資 | 39.8% |
3位 | 金(ゴールド)・REIT・不動産などインフレに強い資産 | 34.2% |
4位 | 国内の高配当株・優待株(インカム重視) | 29.4% |
5位 | 米ドル資産・海外株式・海外ETFなど外貨建て資産 | 26.7% |
6位 | 国債や社債など、比較的リスクの低い債券資産 | 21.6% |
7位 | ビットコインなど暗号資産(高リスク高リターン) | 9.0% |

AI関連が58.4%で他を圧倒
ChatGPT、生成AI、半導体、ロボティクスといったキーワードが投資テーマとして定着したことが、この結果に反映されていると考えられます。個人投資家の6割近くが「AI関連は無視できないテーマ」と認識しているといえるでしょう。
ただし、AI関連は値動きが激しく、期待先行で株価が形成されているとの見方もあります。投資を検討する際は個別銘柄の業績・バリュエーションを確認することが重要です。
AI株の値動き予想の実態や、AI機能を提供する証券会社について詳しくは、AI株価予想は本当に当たる?AI機能を提供する証券会社6社と精度の現実を解説をご覧ください。
NISA・iDeCoが39.8%で2位|制度の定着
2位のNISA・iDeCo(39.8%)は、2024年の新NISA制度開始以降の関心の高まりが反映されている結果といえるでしょう。長期・積立・分散という「王道の資産形成手法」を軸に据えている個人投資家が約4割いるという実態は、日本の投資文化が徐々に成熟しつつある兆候と読み取れます。
インフレ対応資産と高配当株もそれぞれ約3割
3位「ゴールド・REIT・不動産」(34.2%)と4位「高配当株」(29.4%)は、いずれもインフレや相場変動への備えとして注目されています。物価上昇41%の懸念と表裏一体で、インカム重視・実物資産志向の投資家層が一定数存在することが読み取れます。
2026年の投資方針|「増やす派」43% vs「抑える派」9%
結論からお伝えすると、2026年の投資方針では「投資額を増やす」と答えた層が43.1%と、「抑える・休止する」層(9.4%)を大きく上回りました。
投資方針 | 回答率 |
|---|---|
今までと変わらない | 39.0% |
必要に応じて投資額を増やす | 33.9% |
より積極的に投資額を増やす | 9.2% |
投資をしていない | 8.6% |
リスクを抑えて投資比重を下げる | 6.8% |
投資を休止または縮小する | 2.6% |
「必要に応じて増やす」33.9%と「積極的に増やす」9.2%を合わせると43.1%が投資を増やす方向と回答しています。一方、「抑える」6.8%と「休止・縮小」2.6%の合計は9.4%にとどまり、増やす派が抑える派を大きく上回る構図となりました。
世代別に見る「増やす派」の割合
世代別に投資を増やす派の割合を見ると、興味深い分布が浮かび上がります。
世代 | 増やす派の割合 |
|---|---|
20代 | 42.1% |
30代 | 48.2% |
40代 | 46.4% |
50代 | 38.3% |
60代 | 46.3% |
70代 | 34.2% |

特に30代の「増やす派」は48.2%と全世代で最も高く、若年層の投資意欲の強さが表れています。60代も46.3%と高水準で、リタイア世代でも積極的な運用姿勢を持つ層が一定数いることが分かります。
編集部の読み解き|3つの示唆
結論からお伝えすると、666人のデータから見えた示唆は「様子見基調」「AI一極集中の期待」「インフレ対応の重要性」の3点です。
示唆1|楽観と悲観が拮抗、「様子見」が基調
景気見通しでは楽観派35%と悪化懸念派29.5%が拮抗し、35.6%が「変わらない」を選ぶ様子見基調です。市場の方向感が読みづらい局面では、分散投資と積立投資を軸にした王道の資産形成が有効な選択肢となる可能性があります。
示唆2|AI一極集中の期待には注意が必要
投資対象TOP1のAI関連(58.4%)は他を大きく引き離していますが、ここまで一つのテーマに関心が集中している状況は過熱リスクとも表裏一体です。個別銘柄への集中投資はリスクが高くなる可能性があるため、ETFやテーマ型ファンドを活用した分散投資の方が現実的な選択といえるでしょう。
示唆3|インフレ対応が家計・投資の両輪で必要
物価上昇(41.0%)が懸念要因のトップで、投資対象でも金・REIT(34.2%)や高配当株(29.4%)のインフレ対応資産が上位に位置しています。家計側の防衛(節約・保険見直し)と、投資側の対応(インフレに強い資産の組み入れ)を両輪で進める視点が、これからの資産防衛では欠かせないといえるでしょう。
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調査概要
項目 | 内容 |
|---|---|
調査主体 | ITトレンドMoney編集部 |
調査対象 | 個人投資家・生活者 |
有効回答数 | 666名 |
調査方法 | Webアンケート |
設問構成 | 世代/保有金融資産/年収/2026年の景気見通し/良くなる/悪くなる理由/注目する投資対象/投資方針 |
免責事項:本記事は客観的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や証券会社への投資勧誘を目的としたものではありません。掲載している手数料・サービス内容等の情報は記事執筆時点のものであり、各社の改定により変更される場合があります。投資にはリスクが伴い、元本が保証されるものではありません。投資に関する最終的な判断は、必ず各証券会社の公式サイトや目論見書等をご確認の上、お客様ご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。

