証券口座を作ろうと思っても、何から始めればいいか分からず手が止まってしまう人は少なくありません。実際の手続きはオンラインで完結する証券会社が多く、慣れれば15分ほどで申込みが終わります。それでも不安に感じるのは、聞き慣れない言葉や選択肢が多く、何を選べばいいか判断しづらいためです。
この記事では、証券口座の作り方を4つのステップに整理し、必要なものや口座の種類の選び方、申込みの途中でつまずきやすいポイントとその対処法まで、初めて証券口座を作る人向けに解説します。開設が完了したあとに何をすればいいかもあわせて確認できます。
結論|証券口座は最短即日〜数営業日で作れる
証券口座の開設に必要なのは、基本的に本人確認書類とマイナンバー、出金先の銀行口座の3つだけです。スマートフォンで本人確認書類を撮影してアップロードする方法(eKYC)に対応している証券会社であれば、申込み当日から翌営業日程度で口座開設が完了する場合もあります。書類を郵送する方法を選んだ場合は、発送や到着の日数がかかるため、数日から1週間程度を見ておくと安心です。
手続きが途中で止まるとすれば、その原因は審査そのものよりも、入力項目や書類の準備不足であることがほとんどです。以下では、作り方の手順とあわせて、つまずきやすいポイントも具体的に確認していきます。
証券口座づくりは難しくない|「作り方」で不安になる人が最初につまずくのは手続きの前
「作り方」と検索する人の中には、投資自体が初めてで、手続きの途中で失敗するのではないかと不安に感じている人も少なくありません。実際のところ、証券口座の開設はインターネットバンキングの口座を作る手続きとほぼ同じ感覚で進められます。多くの証券会社がスマートフォンとマイナンバーカードだけで完結するオンライン申込みに対応しており、店舗に出向く必要もありません。
手続きの途中でつまずくとすれば、その原因は手順そのものの複雑さではなく、「何を準備すればいいか分からない」「入力欄で何と答えればいいか分からない」という情報不足であることがほとんどです。あらかじめ必要なものと入力項目を把握しておけば、申込みが途中で止まることはほぼありません。
また、証券口座を作ることと、実際に投資を始めることは別のステップです。口座を開設しただけでは資金は動かず、入金して初めて取引ができる状態になります。まずは口座を作るところから始め、投資を始めるタイミングは口座開設後にあらためて検討しても遅くありません。
証券口座の作り方|4ステップで解説

証券口座の開設は、多くの証券会社でオンライン完結型の申込みに対応しており、次の4つのステップで進みます。
1つ目は、証券会社を選んで申込みをすることです。公式サイトの申込みフォームから、氏名・住所などの基本情報と、職業・年収・投資経験といった項目を入力します。
2つ目は、本人確認書類を提出することです。スマートフォンで撮影してアップロードする方法(eKYC)を使えば、郵送を待たずに手続きを進められます。
3つ目は、証券会社による審査です。入力内容と提出書類をもとに口座開設の可否が判断されます。審査基準は各社とも公表していません。
4つ目は、口座開設完了の通知を受け取り、ログイン情報を設定することです。ここまで完了すると、入金して取引を始められる状態になります。
口座開設に必要なもの
証券口座の開設に必要なものは、大きく分けて3つです。
1つ目は本人確認書類です。運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、健康保険証などから、証券会社が指定する組み合わせで用意します。
2つ目はマイナンバーです。マイナンバーカードのほか、通知カードや、マイナンバーが記載された住民票の写しで代用できる証券会社もあります。
3つ目は、出金先として登録する銀行口座です。証券口座から出金する際の振込先になるため、本人名義の口座を用意しておきます。旧姓のままの口座や、家族名義の口座は登録できないため、事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
申込時に選ぶ口座の種類|特定口座・一般口座・NISA口座の違いと選び方
申込みの途中では、口座の種類を選ぶ画面があります。それぞれの違いを押さえておくと、迷わず選べます。
口座の種類 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が年間の損益を計算し、税金の納付まで代行する | 確定申告の手間を減らしたい人、投資が初めての人 |
特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社が年間の損益を計算するが、納税は自分で確定申告して行う | 自分で申告内容を管理したい人 |
一般口座 | 損益の計算・管理を自分で行う必要がある | 上場していない株式など、特定口座で扱えない商品を取引する人 |
NISA口座 | 一定の投資枠内で得た利益が非課税になる。特定口座・一般口座とは別に申込みが必要 | これから投資を始める人の多くが、特定口座とあわせて開設する |
投資が初めての場合は、確定申告の手間がかからない特定口座(源泉徴収あり)と、非課税で運用できるNISA口座をあわせて申し込む形が基本的な選び方になります。NISA口座は1人につき1つの金融機関でしか開設できないため、どの証券会社で申し込むかは、口座を作る段階であらかじめ決めておく必要があります。
証券会社の選び方|押さえるべきポイント
証券会社を選ぶ際は、手数料、取扱商品、NISA対応、ツールの使いやすさといった観点で比較すると判断しやすくなります。以下は主なネット証券の特徴です。
証券会社 | 特徴 | NISA口座 |
|---|---|---|
1日の約定代金合計50万円以下であれば国内株式の現物取引手数料が無料になる。サポート体制の手厚さに定評がある | 対応 | |
条件を満たすと国内株式の現物取引手数料が無料になる「ゼロ革命」を提供している。取扱商品の幅が広く、Vポイントなど複数のポイントサービスと連携している | 対応 | |
米国株の取扱銘柄数が5,000を超える。銘柄スカウターなどの分析ツールや、AIを使った銘柄情報の提供に力を入れている | 対応 | |
「ゼロコース」を選ぶと国内株式の現物取引手数料が金額の制限なく無料になる。楽天ポイントとの連携があり、取引アプリの使いやすさに定評がある | 対応 | |
auじぶん銀行との連携サービスがあり、Pontaポイントを貯める・使うことができる。三菱UFJ銀行グループの証券会社 | 対応 | |
「キンカブ」というサービスで、金額または株数を指定して100円から国内株式を売買できる | 対応 | |
日本株の現物取引手数料が無料。株価チャートのAI分析機能や、大口投資家の売買動向を確認できる機能がある | 対応 | |
1,000円から日本株・米国株に投資できる。PayPayのアプリと連携したスマートフォン中心のサービス設計になっている | 対応 | |
スマートフォンでの利用に特化しており、米国株を1株から売買できる。dポイントやPontaポイントを使った投資に対応している | 対応 | |
「岡三ネットトレーダー」などの取引ツールを提供しており、銘柄をランキング形式で確認できる機能が充実している | 対応 |
どの証券会社が向いているかは、投資したい商品や、普段使っているポイントサービス、重視する取引ツールによって変わります。上記はあくまで特徴の一例であり、手数料や取扱商品の詳細は変更される場合があるため、申込み前に各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。より詳しい比較は、ネット証券おすすめランキングでも確認できます。
申込フォーム・手続きでつまずきやすいポイントと対処
手続きが途中で止まる原因の多くは、審査より手前にあります。症状別に整理します。
本人確認書類の住所が現住所と違う
引っ越し後に運転免許証の住所変更をしていない場合に起こります。書類の裏面に新住所が記載されていれば足りるのか、追加の書類が必要になるのかは証券会社によって扱いが異なるため、申込み前に確認しておくと手戻りを防げます。
マイナンバーカードの読み取りがうまくいかない
スマートフォンでICチップを読み取る際、反射や向きが原因で読み取れないことがあります。また、読み取り時に入力する暗証番号(数字4桁)を3回連続で間違えるとロックされ、住民票のある市区町村の窓口で解除手続きをしない限り、その場で再試行することはできません。暗証番号に自信がない場合は、書類を撮影してアップロードする方法に切り替える選択肢もあります。
口座の種類の選択で迷う
申込み画面で特定口座(源泉徴収あり・なし)・一般口座・NISA口座のどれにチェックを入れればいいか分からず、手が止まるケースです。前述のとおり、投資が初めての場合は特定口座(源泉徴収あり)とNISA口座をあわせて申し込む形が基本になります。
職業・年収・投資経験などの入力項目で答えに迷う
これらの項目は、金融商品取引法が定める適合性の原則、つまり顧客の知識・経験・財産の状況や目的に照らして不適当な取引にならないかを確認するために聞かれています。値踏みされているわけではなく、実態を正確に申告することが前提です。年収がない、投資経験がないという場合も、それに対応する選択肢が用意されています。
出金先の口座が本人名義でない、または旧姓のまま
証券口座の開設自体は進んでも、出金の段階で止まることがあります。結婚などで姓が変わっている場合は、出金先に登録する銀行口座の名義変更が済んでいるかを、申込み前に確認しておくと安心です。
審査に時間がかかっている、または通過しない
各社とも審査の基準や理由は公表していません。時間をおいて状況を確認する、申告内容に誤りがなかったかを見直す、といった対応をしたうえで、必要であれば別の証券会社を検討する流れになります。実態と異なる内容を申告して再申請することは避けてください。
口座開設が完了したら最初にやること
口座が開設できたら、次の順序で準備を進めると、その後の取引をスムーズに始められます。
1つ目は、最初の入金額を決めることです。手元の資金をすべて入れるのではなく、まずは無理のない範囲の金額にとどめ、取引に慣れてから段階的に増やす考え方が安心です。
2つ目は、NISA口座の設定を確認することです。特定口座と同時に申し込んだ場合、投資信託の積立設定など、NISA口座ならではの手続きが別途必要になる場合があります。
3つ目は、取引アプリやツールの初期設定をすることです。値動きの通知や、保有商品の残高が確認できる画面をあらかじめ設定しておくと、日々の値動きを把握しやすくなります。
4つ目は、少額から実際に取引をしてみることです。注文から約定までの一連の操作を、金額が小さいうちに一度通しておくと、操作ミスを防げます。積立設定を使えば、まとまった資金を用意せずに少額から始めることもできます。
証券口座の作り方に関するよくある質問
Q. 証券口座の開設に費用はかかりますか
A. 口座開設費用や口座維持費用を無料としている証券会社が中心です。ただし、出金時の振込手数料など、開設や維持以外の場面で費用がかかる場合があるため、申込み前に確認しておくと安心です。
Q. マイナンバーの提出は必須ですか
A. 必要です。マイナンバーカードのほか、通知カードやマイナンバーが記載された住民票の写しで代用できる証券会社もあります。
Q. 未成年でも証券口座は作れますか
A. 証券会社によって未成年口座の取り扱いが異なります。対応している場合も、親権者の同意書類など、成人とは異なる手続きが必要になることが一般的です。詳しい条件は各社の公式サイトで確認してください。
Q. 複数の証券会社で口座を持っても問題ありませんか
A. 複数の口座を持つこと自体に制限はありません。ただし、NISA口座は1人につき1つの金融機関でしか開設できないため、どの証券会社でNISA口座を作るかは事前に決めておく必要があります。
Q. 申込みから取引開始まで、実際にはどのくらいかかりますか
A. 本人確認の方法によって変わります。スマートフォンでの読み取りや撮影による方法であれば最短で申込み当日から翌営業日程度、書類を郵送する方法では数日から1週間程度が目安です。
まとめ
証券口座の作り方は、証券会社を選んで申し込む、本人確認書類を提出する、審査を受ける、口座開設完了後にログイン情報を設定する、という4つのステップで進みます。手続き自体はスマートフォン1つで完結する証券会社も多く、聞き慣れない言葉や入力項目に事前に目を通しておけば、手を止めずに終えられます。
つまずきやすいのは、審査そのものよりも、本人確認書類の住所の不一致やマイナンバーカードの暗証番号ロックといった、手続きの手前にある実務的なポイントです。あらかじめ症状と対処を把握しておくことで、当日の手続きがスムーズに進みます。
口座が開設できたら、いきなり大きな金額を投じるのではなく、無理のない金額から少しずつ取引に慣れていくことが、長く投資を続けるための第一歩になります。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の証券会社・金融商品の勧誘を目的としたものではありません。投資には元本割れを含むリスクが伴い、利益を保証するものではありません。記事内で紹介した証券会社の名称・特徴・NISA口座の取扱いは2026年8月6日時点の情報を基にしており、内容が変更される場合があります。実際の口座開設・投資判断にあたっては、各証券会社の公式サイトで最新情報をご確認のうえ、ご自身の判断と責任において行ってください。

