物価上昇や税制改正が続くなか、「他の人はどんな節税対策をしているのか」「自分は対策できていない側なのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。
ITトレンドMoney編集部は、5,146人を対象に節税対策の実施状況を聞いた独自アンケート調査を実施しました。見えてきたのは、実際に取り組んでいる方は39.3%と少数派であること、実施者の対策TOPはNISA(71.1%)と生命保険料控除(65.8%)の二強である一方、未対策層の40.6%が「自分は対象じゃない」と思い込んでいる実態です。
本記事では5,146人の調査データをもとに、節税対策の実施率、実施内容、改善したい点、未対策層の理由までを可視化していきます。
この記事でわかる4つの発見
- 節税対策に取り組んでいる方は39.3%と少数派
- 実施者の対策TOP2はNISA 71.1% / 生命保険料控除 65.8%
- 未対策層の40.6%が「自分は対象じゃない」と思い込み
- 実施者の34.3%が「節税額の上限に物足りなさ」を感じている
節税対策に取り組む人は39.3%|過半数が"未対策"の実態
結論からお伝えすると、5,146人の調査で「節税対策に取り組んでいる」と答えた方は39.3%にとどまり、「特に対策はしていない」60.7%が過半数を占めました。
節税対策の取り組み | 回答率 |
|---|---|
既に取り組んでいる | 39.3%(2,024人) |
特に対策はしていない | 60.7%(3,122人) |

実に3人に2人が節税に手を付けていない実態が浮かび上がります。これは「制度を知らない」「自分に関係ないと思っている」といった認識の壁が大きく影響していることが、後述する未対策層の理由から読み取れます。
取り組んでいる節税対策TOP|NISA・生命保険料控除の二強
結論から言うと、対策実施者2,024人の間で最も多く使われている節税手段は「NISA」(71.1%)で、次いで「生命保険料控除」(65.8%)が続きました。
順位 | 実施している節税対策 | 実施者内での割合 |
|---|---|---|
1位 | NISA | 71.1% |
2位 | 生命保険料控除 | 65.8% |
3位 | ふるさと納税 | 58.5% |
4位 | iDeCo | 32.4% |
5位 | 不動産運用 | 13.8% |
6位 | 住宅ローン控除 | 11.5% |

TOP3で3ジャンル|"投資×保険×寄付"を組み合わせる姿勢
TOP1のNISA(投資による非課税枠)、TOP2の生命保険料控除(保険加入で控除)、TOP3のふるさと納税(寄付で控除)と、「異なるジャンルの制度を組み合わせる」姿勢が節税実施者の間で定着していることが分かります。
特にNISA71.1%は、新NISA制度が本格化してから急速に浸透した節税手段です。投資を「増やす」だけでなく「節税手段」として捉える視点が広がっている実態が浮き彫りになりました。
節税実施者の改善したい点|「上限に物足りなさ」34.3%
結論からお伝えすると、既に節税に取り組んでいる方の34.3%が「節税額の上限に物足りなさ」を感じ、30.7%が「キャッシュフローが増えない」という不満を持っています。
順位 | 現在の対策の改善したい点 | 実施者内での割合 |
|---|---|---|
1位 | 節税できる金額に上限があり、物足りない | 34.3% |
2位 | 節税にはなるが、手元のキャッシュフローが増えない | 30.7% |
3位 | 管理や手続きが面倒に感じる | 19.2% |
4位 | 将来の「相続税」や「資産圧縮」までカバーできていない | 15.8% |
1位・2位を合わせると65.0%が「金額面での物足りなさ」を感じていることになります。NISA・保険・ふるさと納税を活用しても、それだけでは節税効果に限界を感じる層が半数を超えている実態です。より踏み込んだ節税策として、不動産運用や小規模企業共済などの活用が今後の関心テーマになる可能性があります。
2025年税制改正と扶養の壁の変更について詳しくは、扶養の壁は103万から160万へ?2025年改正と共働き世帯手取りの最適解をご覧ください。
未対策層の理由|"対象じゃない"思い込み40.6%が最大の壁
結論から言うと、節税対策をしていない3,122人の理由TOP1は「自分は対象じゃない(節税できるほど高額な納税ではない)」40.6%で、僅差で「何から始めていいか分からない」40.5%が続きました。
順位 | 節税対策をしていない理由 | 未対策群での割合 |
|---|---|---|
1位 | 自分は対象じゃないと思っている | 40.6% |
2位 | 何から始めていいか分からない | 40.5% |
3位 | 手続きや管理が面倒そう・難しそう | 24.2% |
4位 | 今のところ必要性を感じていない | 19.7% |
5位 | 損をするリスクが怖い | 14.8% |

"対象じゃない"は本当か
年収300万円台でもふるさと納税や生命保険料控除は使え、NISAは年収に関係なく利用できます。「高額納税者だけの話」と誤解している方が4割存在する実態は、情報の届き方に大きな課題があることを示しています。
"何から始めるか"の道筋づくりが鍵
2位「何から始めていいか分からない」(40.5%)は、制度を知っていても実行に移す道筋が見えない層です。まずはふるさと納税(返礼品つきで負担感が少ない)から、次にNISA、そしてiDeCoという段階的なステップを示せば、この層の一部は取り組みに移行できる可能性があります。
確定申告の全体像と手順について詳しくは、確定申告とは?全くわからない人でも完了できる国税庁手順を解説をご覧ください。
節税への関心|「メリットとリスクを正しく理解したい」59.0%
結論からお伝えすると、「実質的な持ち出しを抑えて所得税・住民税を軽減できる方法」への関心を聞いた設問では、59.0%が「メリットとリスクの両方を正しく理解したい」と回答しました。
節税手段への関心 | 回答率 |
|---|---|
メリットとリスクの両方を正しく理解したい | 59.0% |
非常に興味がある(具体的な仕組みを知りたい) | 22.8% |
あまり興味がない | 18.2% |
「非常に興味がある」(22.8%)を合わせると81.8%が節税手段に関心を持っていることになります。行動に移せていなくても、情報を求めている層は圧倒的多数といえるでしょう。
編集部の読み解き|3つの示唆
結論からお伝えすると、5,146人のデータから見えたのは「二極化」「認識の壁」「情報ニーズの大きさ」の3点です。
示唆1|節税は"やる人/やらない人"の二極化
実施39.3%・未対策60.7%の分布は、節税対策における取り組み層と非取り組み層の二極化を示しています。実施者は複数の制度を組み合わせて活用する一方で、非取り組み層は情報にすらアクセスしていない可能性があります。
示唆2|"対象じゃない"は誤解、まず制度理解を
未対策の理由TOP1「自分は対象じゃない」40.6%は、多くの場合が誤解です。ふるさと納税は年収200万円台でも活用可能、NISAは所得に関係なく利用できます。「節税=高所得者向け」という思い込みを解くことが、この層への最初のアプローチになります。
示唆3|情報ニーズは81.8%、行動への転換余地は大きい
節税手段への関心は「理解したい」59.0%+「興味がある」22.8%=81.8%と圧倒的多数です。行動に移せていないだけで、情報自体は求められています。「メリットとリスクの両方」を正しく伝える情報提供が、この層を取り組みに転換する鍵になります。
調査概要
項目 | 内容 |
|---|---|
調査主体 | ITトレンドMoney編集部 |
調査期間 | 2025年 |
調査対象 | 全国の会社員・生活者 |
有効回答数 | 5,146名(実施者2,024人/未実施者3,122人) |
調査方法 | Webアンケート(複数の実施ロットを統合集計) |
設問構成 | 世代/保有金融資産/年収/節税対策の取り組み状況/実施内容/改善したい点/未実施の理由/節税手段への関心 |
免責事項:本記事は客観的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や証券会社への投資勧誘を目的としたものではありません。掲載している情報は記事執筆時点のものであり、税制改正等により変更される場合があります。節税策の適用可能性は個人の状況により異なります。ご利用の際は、必ず税理士等の専門家にご確認の上、お客様ご自身の判断と責任において行っていただくようお願いいたします。

