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海外旅行や出張に持っていくクレジットカードは、国内で使うときとは違う基準で選ぶ必要があります。どの国際ブランドを選ぶか、外貨決済の手数料はいくらか、旅行保険は付いているかによって、現地での使いやすさと総コストが変わります。この記事では、海外旅行におすすめのクレジットカード12枚を保険・手数料・ブランド・年会費の4軸でスコア比較し、旅行スタイル別の選び方を整理します。あわせて、ロンドンの地下鉄のようにタッチ決済が実質的な必須になる都市の事情、持っていく枚数の考え方、現地での使い方の注意点までを解説します。
編集部の結論|海外旅行のカードは「保険・手数料・ブランド」で選ぶ
結論を一言で言えば、海外でクレジットカードを快適に使うには「万一の備え(旅行保険)」「総コスト(海外事務手数料)」「どこで使えるか(ブランド到達度とタッチ決済)」の3点を押さえることが重要です。本記事のスコア評価で総合1位となったのはJCBゴールドで、海外事務手数料1.60%と旅行保険の自動付帯・最高1億円を両立している点が決め手になりました。用途を絞る場合は、次の組み合わせから選ぶのが現実的です。
こんな人に | 編集部の選択 | 理由 |
|---|---|---|
保険を万全にしたい | JCBゴールド(総合1位) | 旅行保険が自動付帯・最高1億円。海外事務手数料も1.60%で、補償とコストを同時に満たせる |
年会費無料で手数料を抑えたい | JCBカードW(総合2位) | 年会費永年無料で海外事務手数料1.60%。18〜39歳限定だが40歳以降も同条件で保有できる |
決済手数料を最小にしたい | イオンカード(総合3位) | 海外事務手数料1.60%で最安水準。ブランドをVisa・Mastercard・JCBから選べる |
年会費無料で保険も確保したい | リクルートカード(総合4位) | 永年無料で海外・国内の旅行保険が付帯。基本還元率1.2%で日常使いにも向く |
交通機関でタッチ決済を使いたい | 三井住友カード(NL)(総合6位) | Visaのタッチ決済対応。最短10秒でカード番号が発行され、渡航直前の申込にも間に合う |
海外には2〜3枚を国際ブランドを分けて持っていくのが安心です。以下ではまず12枚のスコア比較表と旅行スタイル別の診断を示し、続いてタッチ決済の事情、保険・手数料・ブランドそれぞれの選び方、各カードの詳細解説、渡航先別の注意点まで順に解説します。
ITトレンドMoney編集部のスコアリング基準
本記事のランキングは、海外旅行での実用性を4つの軸で採点し、加重平均した総合スコア(100点満点)で順位付けしています。旅行中に効いてくる要素に重みを置いた設計です。
評価軸 | 重み | 採点の考え方 |
|---|---|---|
海外旅行保険 | 30% | 自動付帯で高額補償=最高評価。利用付帯や補償額が低いものは減点 |
海外事務手数料 | 30% | 1.60%=最高評価、3.85%=最低評価。外貨決済のたびに上乗せされる固定コストとして重視 |
国際ブランド・タッチ決済 | 20% | 加盟店の広さとタッチ決済対応。Visa・Mastercardを高く評価 |
年会費コスパ | 20% | 永年無料=最高評価。条件付き無料、有料は年会費の水準に応じて評価 |
保険と手数料に合計60%を置いた理由は、この2つが「旅行中に起きたことへの備え」と「使うたびに必ず発生するコスト」であり、旅行スタイルに関係なく全員に影響するためです。年会費は旅行頻度によって重要度が変わるため、20%に抑えています。
海外旅行におすすめのクレジットカード12選 スコア比較表
12枚を総合スコア順に並べた比較表です。海外事務手数料と保険の付帯方式は、旅行中の実質コストと補償に直結する項目なので合わせて確認してください。
順位 | カード名 | スコア | 海外事務手数料 | 海外旅行保険 | 国際ブランド | 年会費 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | JCBゴールド | 80.0点 | 1.60% | 自動付帯 最高1億円 | JCB | 11,000円 |
2位 | JCBカードW | 74.0点 | 1.60% | 利用付帯 最高2,000万円 | JCB | 永年無料 |
3位 | イオンカード | 72.0点 | 1.60% | 利用付帯(補償は限定的) | Visa/Mastercard/JCB | 永年無料 |
4位 | リクルートカード | 71.0点 | 発行ブランドにより1.60〜2.20%程度 | 利用付帯 最高2,000万円(国内旅行保険も付帯) | Visa/Mastercard/JCB | 永年無料 |
5位 | アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード | 66.0点 | 2.00% | 自動付帯 海外最高1億円/国内最高5,000万円 | American Express | 39,600円 |
6位 | 三井住友カード(NL) | 64.5点 | 3.63% | 利用付帯 最高2,000万円 | Visa/Mastercard | 永年無料 |
7位 | ANAカード(一般) | 64.0点 | 2.20〜3.40% | 自動付帯 最高1,000万円 | Visa/Mastercard/JCB | 2,200円 |
8位 | ダイナースクラブカード | 62.0点 | 2.00% | 自動付帯 最高1億円 | Diners Club | 24,200円 |
9位 | 楽天プレミアムカード | 60.5点 | 3.63% | 自動付帯 最高5,000万円 | Visa/Mastercard/JCB/Amex | 11,000円 |
10位 | 三井住友カード ゴールド(NL) | 60.0点 | 3.63% | 利用付帯 最高2,000万円 | Visa/Mastercard | 5,500円(年間100万円利用で翌年以降永年無料) |
11位 | 楽天カード | 59.5点 | 3.63% | 利用付帯 最高2,000万円 | Visa/Mastercard/JCB/Amex | 永年無料 |
12位 | エポスカード | 54.0点 | 3.85% | 利用付帯 | Visa | 永年無料 |
上位に共通するのは、海外事務手数料が2.00%以下であることです。手数料1.60%と3.85%の差は、海外で30万円を使った場合に約6,750円になります。年会費無料でも手数料が高いカードは、決済量が多い旅行では割高になる可能性があります。
診断|旅行スタイル別に選ぶ最適な1枚
海外旅行のカード選びは、渡航頻度と何を優先するかで結論が変わります。以下4つから最も近いものを選んでください。
海外旅行カード診断
旅行スタイルを選ぶと最適な1枚が分かります
Q. あなたの旅行スタイルに近いのは?
▶ [A] 年に1回の旅行・年会費はかけたくない
おすすめ
JCBカードW(2位) or イオンカード(3位)
どちらも年会費永年無料で海外事務手数料1.60%。JCBカードWは18〜39歳限定ですが利用付帯2,000万円の保険つき。イオンカードはブランドを3つから選べます。保険を確実にしたいならリクルートカード(4位)も候補です。
▶ [B] 年に複数回渡航する・保険を万全にしたい
おすすめ
JCBゴールド(1位)
海外事務手数料1.60%と自動付帯・最高1億円を両立。旅費を別カードで払っても補償が有効な自動付帯のため、支払い方法を気にせず使えます。年会費11,000円は渡航回数が多いほど回収しやすくなります。
▶ [C] 欧州で公共交通を使う・タッチ決済が心配
おすすめ
三井住友カード(NL)(6位)
Visaのタッチ決済対応で、ロンドン地下鉄など改札にかざすだけで乗車できる都市に対応します。手数料3.63%と高めなので、買い物は手数料の安いカードに任せ、こちらは交通機関用として使い分けるのが有効です。
▶ [D] 空港ラウンジを使いたい
おすすめ
楽天プレミアムカード(9位) or アメックス・ゴールドプリファード(5位)
楽天プレミアムカードは年会費11,000円でプライオリティ・パスが付帯。アメックス・ゴールドプリファードは年会費39,600円ですが自動付帯1億円と手荷物宅配まで含む総合支援型です。渡航頻度で判断してください。
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1位〜12位の詳細解説
各カードの特徴と、どのような使い方に向いているかを順に整理します。海外では2枚以上を持つ前提で、それぞれの役割を考えながら読み進めてください。
第1位 JCBゴールド(スコア80.0点)
JCBゴールドは海外事務手数料1.60%と、海外旅行傷害保険の自動付帯・最高1億円という2つの条件を同時に満たす1枚です。手数料率が3.63%のカードと比べると、海外で年30万円を使った場合の差額は約6,000円になります。年会費11,000円は保険料と手数料削減分で相殺できる水準といえます。
カードを持っているだけで保険が有効になる自動付帯のため、旅行代金をこのカードで払わなくても補償を受けられます。空港ラウンジや航空機遅延保険も付帯するため、年に1回以上海外へ行くなら候補の中心になります。ただしJCB単独では欧米での加盟店が限られるため、VisaまたはMastercardとの2枚持ちが前提になります。
海外事務手数料 | 1.60% |
|---|---|
海外旅行保険 | 自動付帯 最高1億円 |
国際ブランド | JCB |
年会費 | 11,000円 |
第2位 JCBカードW(スコア74.0点)
JCBカードWは年会費永年無料で海外事務手数料1.60%を実現している数少ないカードです。18〜39歳限定の申込条件がありますが、一度発行すれば40歳以降も同じ条件で保有し続けられます。手数料の安さだけで見れば、年会費無料カードの中では最上位クラスです。
海外旅行保険は利用付帯・最高2,000万円のため、旅行代金や現地の交通費をこのカードで決済しないと補償が始まりません。渡航前に旅費の一部を必ずこのカードで支払っておく運用が必要です。JCB加盟店の分布はハワイ・韓国・台湾・グアムで手厚く、アジア圏や太平洋方面の旅行と相性が良い1枚です。
海外事務手数料 | 1.60% |
|---|---|
海外旅行保険 | 利用付帯 最高2,000万円 |
国際ブランド | JCB |
年会費 | 永年無料 |
第3位 イオンカード(スコア72.0点)
イオンカードは海外事務手数料1.60%と、年会費永年無料を両立しています。国際ブランドをVisa・Mastercard・JCBから選べるため、渡航先に合わせて申込時にブランドを決められる点も実用的です。買い物の決済手数料を最小限に抑えたい方に向いています。
一方で海外旅行保険は補償内容が限定的なため、保険は別のカードで確保する前提になります。「決済用はイオンカード、保険用は別カード」という役割分担で使うのが現実的です。手数料を抑える設計に振り切った1枚として、2枚持ちの決済側を担う使い方に適しています。
海外事務手数料 | 1.60% |
|---|---|
海外旅行保険 | 利用付帯(補償は限定的) |
国際ブランド | Visa/Mastercard/JCB |
年会費 | 永年無料 |
第4位 リクルートカード(スコア71.0点)
リクルートカードは年会費永年無料でありながら、海外旅行保険(利用付帯・最高2,000万円)と国内旅行保険の両方が付帯します。基本還元率1.2%は永年無料カードの中で最高水準のため、旅行以外の日常決済でも損がありません。
海外事務手数料は発行ブランドによって異なり、JCB発行であれば1.60%程度、Visa・Mastercard発行では2.20%程度が目安です。申込時にブランドを選ぶ際、海外利用が多いならJCBを選ぶと手数料面で有利になります。保険は利用付帯のため、旅費の決済に使う運用が前提です。
海外事務手数料 | 発行ブランドにより1.60〜2.20%程度 |
|---|---|
海外旅行保険 | 利用付帯 最高2,000万円(国内旅行保険も付帯) |
国際ブランド | Visa/Mastercard/JCB |
年会費 | 永年無料 |
第5位 アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード(スコア66.0点)
アメックス・ゴールドプリファードは海外事務手数料2.00%、海外旅行保険が自動付帯で最高1億円、国内旅行保険も最高5,000万円という高水準の補償を備えます。ショッピング保険は年間500万円まで対応し、旅先での高額な買い物にも備えられます。
年会費39,600円は高額ですが、空港ラウンジ・手荷物無料宅配・旅行トラブル時のサポートデスクを含めた総合的な旅行支援が目的の1枚です。ただしAmexは加盟店の分布が限られるため、Visa・Mastercardとの併用が必須になります。年に複数回渡航する方向けの選択肢です。
海外事務手数料 | 2.00% |
|---|---|
海外旅行保険 | 自動付帯 海外最高1億円/国内最高5,000万円 |
国際ブランド | American Express |
年会費 | 39,600円 |
第6位 三井住友カード(NL)(スコア64.5点)
三井住友カード(NL)はVisaのタッチ決済に対応しており、海外の公共交通機関や小売店でカードをかざすだけで決済できます。ロンドンの地下鉄のようにタッチ決済が実質的な必須となる都市では、この対応が現地での行動しやすさに直結します。最短10秒でカード番号が発行される点も、渡航直前の申込に向いています。
海外事務手数料は3.63%とやや高めなので、決済のメインには向きません。手数料の安いカードと組み合わせ、こちらはタッチ決済が必要な交通機関や少額決済用として使う運用が合理的です。海外旅行保険は利用付帯・最高2,000万円です。
海外事務手数料 | 3.63% |
|---|---|
海外旅行保険 | 利用付帯 最高2,000万円 |
国際ブランド | Visa/Mastercard |
年会費 | 永年無料 |
第7位 ANAカード(一般)(スコア64.0点)
ANAカード(一般)は年会費2,200円で海外旅行保険が自動付帯する点が最大の特徴です。補償額は最高1,000万円と控えめですが、カードを持っているだけで有効になるため、旅費を別カードで払う場合でも補償が働きます。年会費を抑えて自動付帯を確保したい方に向いた設計です。
搭乗ボーナスマイルが加算されるため、ANA便を利用する旅行では実質的な還元も期待できます。海外事務手数料は2.20〜3.40%とブランドや発行会社によって幅があるため、申込前に条件を確認してください。ANA便での渡航が多い方は、マイル積算と保険を兼ねられます。
海外事務手数料 | 2.20〜3.40% |
|---|---|
海外旅行保険 | 自動付帯 最高1,000万円 |
国際ブランド | Visa/Mastercard/JCB |
年会費 | 2,200円 |
第8位 ダイナースクラブカード(スコア62.0点)
ダイナースクラブカードは海外事務手数料2.00%、海外旅行保険が自動付帯で最高1億円と、補償と手数料のバランスに優れた1枚です。国内外の空港ラウンジを利用できるほか、ゴルファー保険も付帯します。
注意点は加盟店の分布です。Diners Clubは日本国内・海外ともにVisaやMastercardに比べて使える店舗が限られるため、単独での渡航には向きません。補償と付帯サービスを目的に保有し、決済はVisaまたはMastercardで行う組み合わせが前提になります。
海外事務手数料 | 2.00% |
|---|---|
海外旅行保険 | 自動付帯 最高1億円 |
国際ブランド | Diners Club |
年会費 | 24,200円 |
第9位 楽天プレミアムカード(スコア60.5点)
楽天プレミアムカードは年会費11,000円で、海外旅行保険が自動付帯・最高5,000万円、さらにプライオリティ・パスが付帯します。世界各国の空港ラウンジを利用できるため、乗り継ぎや出発前の待ち時間が長い旅程では価値が出ます。
海外事務手数料は3.63%と高めなので、現地での決済は手数料の安いカードに任せる使い分けが有効です。プライオリティ・パスの利用条件は改定される場合があるため、申込前に最新の付帯内容を確認してください。空港ラウンジの詳細は本記事末尾の関連記事で比較できます。
海外事務手数料 | 3.63% |
|---|---|
海外旅行保険 | 自動付帯 最高5,000万円 |
国際ブランド | Visa/Mastercard/JCB/Amex |
年会費 | 11,000円 |
第10位 三井住友カード ゴールド(NL)(スコア60.0点)
三井住友カード ゴールド(NL)は年間100万円の利用で翌年以降の年会費が永年無料になり、毎年10,000ポイントのボーナスも受け取れます。国内主要空港のラウンジが利用でき、Visaのタッチ決済にも対応しています。
海外旅行保険は利用付帯・最高2,000万円のため、旅費の決済に使う必要があります。海外事務手数料3.63%も踏まえると、海外専用というより「普段のメインカードで空港ラウンジも使いたい」場合の選択肢です。年間100万円を使う見込みがあるかが判断の分かれ目になります。
海外事務手数料 | 3.63% |
|---|---|
海外旅行保険 | 利用付帯 最高2,000万円 |
国際ブランド | Visa/Mastercard |
年会費 | 5,500円(年間100万円利用で翌年以降永年無料) |
第11位 楽天カード(スコア59.5点)
楽天カードは年会費永年無料で、国際ブランドを4つから選べる点が海外利用では実用的です。海外旅行保険は利用付帯・最高2,000万円で、旅費をこのカードで決済すれば補償が有効になります。会員数が多く、トラブル時のサポート窓口が整っている点も安心材料です。
海外事務手数料は3.63%のため、決済量が多い旅行では手数料負担が積み上がります。1週間の旅行で20万円使えば約7,260円が手数料としてかかる計算です。手数料1.60%のカードと併用し、こちらは予備・バックアップとして持つ使い方が向いています。
海外事務手数料 | 3.63% |
|---|---|
海外旅行保険 | 利用付帯 最高2,000万円 |
国際ブランド | Visa/Mastercard/JCB/Amex |
年会費 | 永年無料 |
第12位 エポスカード(スコア54.0点)
エポスカードは年会費永年無料で、マルイ店頭で当日中にカードを受け取れる点が渡航直前の申込で強みになります。海外29都市に日本語対応のサポートデスクを設けており、カード紛失や医療機関の紹介など現地でのトラブル対応を日本語で相談できます。
注意点は2つあります。1つは海外旅行保険が2023年10月に自動付帯から利用付帯へ変更されたことで、旅費の決済に使わないと補償が始まりません。もう1つは海外事務手数料3.85%が比較対象の中で最も高い水準にあることです。現地サポート重視で持ち、決済は手数料の安いカードに任せる運用が現実的です。
海外事務手数料 | 3.85% |
|---|---|
海外旅行保険 | 利用付帯 |
国際ブランド | Visa |
年会費 | 永年無料 |
【重要】海外ではタッチ決済が必須になりつつある
海外旅行のカード選びで見落とされやすいのが、タッチ決済(コンタクトレス決済)への対応です。日本では交通系ICカードが主流ですが、海外の都市ではクレジットカードのタッチ決済がそのまま交通機関の乗車手段になっているケースが増えています。
ロンドンは現金での乗車ができない
ロンドンではバスの現金支払いが2014年に廃止され、地下鉄・DLR・オーバーグラウンドでも現金で切符を買う運用が実質的になくなっています。交通系ICカードの「オイスターカード」か、クレジットカードのタッチ決済のいずれかが必要です。改札機にVisa・Mastercard・American Expressのロゴが表示されており、対応カードをかざすだけで通過できます。
タッチ決済で乗車すると、その日の乗車回数に応じて自動的に上限額(Fare Cap)が適用されます。何度乗り降りしても1日の上限を超えて請求されない仕組みなので、乗車券を都度買うより手間もコストも抑えられます。
都市によって対応状況は異なる
一方で、すべての都市が対応しているわけではありません。パリの地下鉄はクレジットカードのタッチ決済に対応しておらず、専用のICカードや紙の切符が必要です。渡航先の交通機関がタッチ決済に対応しているかは、事前に現地の交通局サイトで確認しておくと当日の混乱を避けられます。
タッチ決済対応カードを1枚は持っていく
対応都市では、タッチ決済が使えるかどうかで移動の自由度が大きく変わります。Visaのタッチ決済に対応する三井住友カード(NL)のように、タッチ決済を明示しているカードを1枚は持っていくと安心です。カードの券面や会員サイトで、タッチ決済のマーク(電波状のマーク)が付いているかを確認してください。
海外で使いやすいクレジットカードの選び方は3つの軸
「海外で使いやすい」と一口に言っても、何を基準にするかで選ぶカードは変わります。海外利用で見るべきポイントは、大きく次の3つに整理できます。
選び方の軸 | 見るポイント |
|---|---|
①国際ブランドの到達度とタッチ決済 | 渡航先で加盟店が多く確実に使えるブランドか。交通機関で使うタッチ決済に対応しているか |
②海外事務手数料 | 外貨決済のときに上乗せされる手数料が低いか |
③海外旅行保険 | 治療費・携行品などの補償が付いているか |
表の3つを押さえれば、海外で「使えない」「思ったより手数料が高い」「保険がなくて困った」といった失敗を避けられます。以下で、それぞれの軸を順に見ていきます。なお本記事のランキングは、この3つの軸に「年会費コスパ」を加えた4項目でスコア化しています。各軸の詳細は専用の解説記事でも扱っているため、深掘りしたい場合はあわせてご覧ください。
軸①国際ブランド|どこで使えるかで選ぶ
海外で最も重要なのが、国際ブランドの選び方です。ブランドによって使えるエリアの広さが違うため、渡航先で加盟店が多いブランドを選ぶことが、使いやすさに直結します。
世界で最も加盟店が多いのはVisaとMastercardで、このどちらかを持っていれば、ほとんどの国・地域で困ることはありません。JCBはハワイ・韓国・台湾など日本人観光客が多いエリアに強く、現地ラウンジや優待が用意されていることがあります。American Expressはアメリカや欧州の高級店・ホテルで使える一方、地方や小規模店ではやや弱い傾向があります。
海外利用がメインなら、まずVisaまたはMastercardを1枚押さえるのが基本です。そのうえで渡航先がアジア中心ならJCBを足すなど、行き先に合わせて選ぶと安心です。各ブランドの違いは、クレジットカードの国際ブランドの選び方の解説で詳しく扱っています。
軸②海外事務手数料|外貨決済に上乗せされるコスト
海外でカードを使って外貨で買い物をすると、国際ブランドが定める基準レートに、カード発行会社が設定する「海外事務手数料」が上乗せされた為替レートで日本円に換算されます。この手数料が低いほど、海外利用は割安になります。
海外事務手数料は、一般的に1.6%〜3.85%程度の幅があります。同じ金額を使っても、手数料が低いカードと高いカードでは支払総額に差が出るため、海外でよく使うなら手数料の低いカードをメインにすると、コストを抑えられます。
手数料の具体的な比較や、為替レートの計算方法については、クレジットカードの海外手数料の解説で詳しく取り上げています。手数料を重視して選びたい場合は、そちらもあわせてご確認ください。
軸③海外旅行保険|自動付帯か利用付帯かを確認する
海外では、けがや病気の治療費が高額になることがあります。海外旅行保険が付いたカードを持っていれば、治療費・携行品の損害・賠償責任などを補償でき、現地での万一に備えられます。
カード付帯の海外旅行保険には、「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。自動付帯はカードを持っているだけで補償の対象になり、利用付帯は旅行代金などをそのカードで支払うことが補償の条件になります。利用付帯のカードは、条件を満たさないと保険が適用されないため、出発前に支払い方法を確認しておくことが大切です。
また、複数のカードを持っていると、治療費や携行品損害などの一部の補償は、カードごとの補償額を合算できる場合があります。補償内容や自動付帯・利用付帯の詳しい違いは、海外旅行保険付きクレジットカードの選び方の解説で扱っています。
海外には何枚持っていく?ブランドの分け方
海外には、クレジットカードを2〜3枚、国際ブランドを分けて持っていくのが安心です。1枚だけだと、その1枚が使えない店や紛失・盗難に遭ったときに、決済手段がなくなってしまいます。
複数枚をブランド違いで持つメリットは3つあります。1つ目は、「この店はVisaしか使えない」といったブランド対応の差をカバーできること。2つ目は、紛失・盗難や利用枠オーバーが起きても、別のカードで支払えること。3つ目は、前述のとおり保険の補償を合算できる場合があることです。
具体的な組み合わせとしては、1枚目をVisaまたはMastercard、2枚目を1枚目と違うブランド(Visa↔Mastercard、またはJCB)にするのが基本です。さらにもう1枚足すなら、アジア圏に強いJCBや、特典が手厚いAmexを予備として加える形になります。何枚持つかの考え方は、クレジットカードは何枚持つべきかの解説もご参考ください。
海外でのクレジットカードの使い方と注意点

海外でカードを使うときは、国内とは少し勝手が違う場面があります。トラブルを避けるために、次の点を押さえておくと安心です。
暗証番号(PIN)を確認しておく:海外ではICチップと暗証番号での決済が主流です。出発前に各カードの暗証番号を思い出しておかないと、現地で決済できないことがあります。
通貨は現地通貨建てを選ぶ:海外の店舗やATMで「日本円で支払うか、現地通貨で支払うか」を聞かれることがあります(DCCと呼ばれる仕組み)。日本円建てを選ぶと割高な為替レートが適用されることが多いため、基本は現地通貨建てを選ぶほうが無難です。
利用枠と連絡先を確認しておく:海外では高額決済が続くこともあるため、利用可能枠に余裕があるか確認しておきます。あわせて、紛失・盗難時に連絡するカード会社の海外サポート窓口の番号を、カードとは別に控えておくと安心です。
渡航先別の注意点
使いやすいブランドや決済手段は渡航先によって変わります。主要な渡航先ごとの傾向を整理しました。
アメリカ
Visa・Mastercardが広く使え、American Expressも都市部では問題なく使えます。チップの扱いやサインの慣習など日本と異なる点があるため、事前に確認しておくと戸惑いません。詳細はアメリカで使いやすいクレジットカードで解説しています。
中国
クレジットカードよりAlipayやWeChat Payの普及度が高く、店舗によってはカードが使えない場合があります。銀聯(UnionPay)カードやモバイル決済のセットアップを含めた準備が必要です。詳細は中国でクレジットカードは使える?を参照してください。
ヨーロッパ
Visa・Mastercardが基本で、JCBは加盟店が限られます。前述のとおり公共交通機関でタッチ決済が必須になる都市があるため、タッチ決済対応カードを持っていくことが実質的な条件になります。都市ごとに対応状況が違う点に注意してください。
ハワイ・韓国・台湾・グアム
JCBの加盟店が比較的多く、JCB優待が使える店舗もあります。JCBカードWやJCBゴールドの手数料1.60%を活かしやすい渡航先です。ただし小規模店ではVisa・Mastercardのみのケースもあるため、2ブランド持ちは変わらず推奨されます。
よくある質問(FAQ)
Q. 海外でクレジットカードは何枚あれば安心ですか?
2〜3枚を、国際ブランドを分けて持っていくのが安心です。1枚が使えない店や紛失・盗難に備え、最低でも2枚、できればVisa/Mastercardに加えてJCBやAmexを予備にすると、現地で決済手段に困りにくくなります。
Q. VisaとMastercardはどちらが海外で使いやすいですか?
どちらも世界中で加盟店が多く、海外での使いやすさに大きな差はありません。地域でいえば北米はVisa、ヨーロッパはMastercardが強いとされますが、2枚目を作るならこの2つを分けて持つと、対応の差を補い合えます。
Q. 海外でクレジットカードが使えなかったときはどうすればいいですか?
まず別ブランドのカードで支払いを試します。それでも使えない場合は、海外利用の制限がかかっている可能性があるため、カード会社の海外サポート窓口に連絡して状況を確認します。予備のカードと連絡先を控えておくことが、こうした場面での備えになります。
まとめ|保険と手数料で選び、2〜3枚で役割を分ける
海外旅行のクレジットカードは、海外旅行保険の付帯方式と海外事務手数料の2点で大きく差が出ます。年に複数回渡航するなら自動付帯で手数料も安いJCBゴールド、年1回程度なら年会費無料で手数料1.60%のJCBカードWやイオンカードが軸になります。
そのうえで、Visa・Mastercardを1枚は加えてブランドを分散させ、タッチ決済対応カードを含めておくと現地での支払い手段に困りません。1枚で完結させようとせず、決済用・保険用・予備という役割で2〜3枚を組み合わせるのが実務的な結論です。
関連記事:
- クレジットカードの海外旅行保険おすすめ14選|自動付帯・補償額で比較
- クレジットカードの海外手数料はいくら?計算方法と安いカードの比較
- プライオリティ・パス付きクレジットカードおすすめ比較
- アメリカで使いやすいクレジットカード
- 中国でクレジットカードは使える?
免責事項:本記事は情報の提供のみを目的としており、特定のクレジットカードの勧誘や契約の推奨を行うものではありません。掲載しているポイント還元率・年会費・特典等の情報は記事執筆時点のものであり、カード会社の改定により変更される場合があります。審査の可否はカード会社の裁量により決定されるため、本記事の内容が審査通過を保証するものではありません。ご契約・お申し込みは、必ず各カード会社の公式サイトにて最新情報をご確認の上、お客様ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

